小野薬品は13日、オプジーボとヤーボイの併用療法について、P3相CheckMate -227試験Part 1の6年間の追跡データにおいて、転移性非小細胞肺がん(mNSCLC)のファーストライン治療で長期の持続的な生存ベネフィットが示されたと発表した。
提携するブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が、11日に発表したもの。追跡調査の結果は、国際肺癌学会(IASLC)の2023年世界肺癌学会で口頭発表される。
最短6年(73.5カ月)の追跡調査において、mNSCLCを対象とした免疫療法薬によるP3試験で報告された最長期間の結果は次の通り。
・主要評価項目の解析対象であるPD-L1発現レベルが1%以上の患者集団の追跡結果において、6年生存率はオプジーボとヤーボイの併用療法群で22%、化学療法群で13%であった(ハザード比 [HR] 0.78;95% 信頼区間 [CI]: 0.67 – 0.91)。
・PD-L1発現レベルが1%未満の患者の探索的解析では、6年生存率はオプジーボとヤーボイの併用療法群が化学療法群の3倍以上であった(併用療法群16% vs 化学療法群5%;HR 0.65;95% CI:0.52 – 0.81)。
・奏効例のうち、腫瘍量が80%以上減少した患者の割合は、PD-L1発現レベルが 1%以上(併用療法群15% vs 化学療法群3%)および1%未満(併用療法群8% vs 化学療法群1%)のサブグループのいずれもオプジーボとヤーボイの併用療法群は、化学療法群よりも高かった。腫瘍量が80%以上減少した患者の6年全生存率(OS)はオプジーボとヤーボイの併用療法群は、化学療法群よりも高かった(PD-L1発現レベルが1%以上で併用療法群59% vs 化学療法群42%および1%未満で併用療法群77% vs 化学療法群0%)。
・免疫療法薬2剤、オプジーボとヤーボイによる併用療法の安全性プロファイルは、これまでに報告された本試験のデータと一貫しており、確立されたプロトコルによって管理可能であった。また、新たな安全性シグナルは認められなかった。
オプジーボとヤーボイの併用療法は、現在までに、mNSCLC、転移性悪性黒色腫、進行腎細胞がん、悪性胸膜中皮腫および食道扁平上皮がんの5つのがん腫を対象とした6つのP3試験でOSの有意な改善を示している。
◆Solange Peters腫瘍内科および胸部悪性腫瘍プログラムの委員長(Lausanne大学病院腫瘍科教授、M.D.、Ph.D.)のコメント
免疫療法は進行肺がんの治療を変革しており、幸いなことに診断は多くの患者さんにとって以前と同じ意味を持つものではなくなった。この 6 年間の結果により、オプジーボとヤーボイの併用療法により、前年と比較して、顕著に長期の持続的な臨床生存ベネフィットを示している。CheckMate -227試験 における免疫療法薬2剤のレジメンで長期の有効性が認められたことは、オプジーボとヤーボイの併用療法が転移性非小細胞肺がんの適格な患者の予後を変えるという重要性を裏付けている。
◆Abderrahim Oukessou BMSバイスプレジデント兼胸部がん領域グローバル開発担当(M.D.)のコメント
我々は、オプジーボとヤーボイの併用療法が、化学療法と比較して、6年間の追跡調査でほぼ2倍の全生存率を継続して示していることを非常にうれしく思う。これは、転移性非小細胞肺がんを対象にした免疫療法薬によるP3試験としてはこれまでで最長のものである。さらに、オプジーボとヤーボイの併用療法は、治療が困難で、高いアンメットニーズに直面している患者集団であるPD-L1発現レベルが1%未満の患者集団において生存期間を3倍以上延長した。
我々が2023年WCLCで発表した結果は、免疫療法薬の併用療法により生存期間の期待を変革するという当社のレガシーに基づいている。将来を見据えて、標的療法や低分子療法だけでなく、新たな免疫療法薬の併用療法に研究を拡大して、胸部がんを抱えておられるできるだけ多くの人々のための解決策を見つけられることを期待している。