スキリージ 中等症乾癬患者対象P4直接比較試験でアプレミラストへの優越性確認 アッヴィ

 アッヴィは24日、スキリージについて中等症の尋常性乾癬成人患者を対象としたP4相直接比較試験の主要評価項目においてアプレミラストに対する優越性を示したデータを発表した。
 同試験では、すべての主要評価項目および順位付けされた副次評価項目を達成し、新たな安全性シグナルは認められなかった。主な同非盲検、有効性評価者盲検試験の結果は次の通り。

◆16週時に期間Aの主要評価項目である乾癬の皮疹面積・重症度指数(PASI)90および医師による静的総合評価(sPGA)0/1を達成した患者の割合は、リサンキズマブ群で有意に高い結果となった[リサンキズマブ群でPASI 90を達成した患者さんは55.9%(118名中66名)、sPGA 0/1を達成した患者さんは75.4%(118名中89名)であったのに対し、アプレミラスト群では5.1%(234名中12名)および18.4%(234名中43名)。いずれもP<0.001]。

◆16週時に順位付け副次評価項目であるPASI 75を達成した患者の割合は、リサンキズマブ群でアプレミラスト群より有意に高い結果となった[リサンキズマブ群:84.7%(118名中100名)、アプレミラスト群:18.8%(234名中44名)、P<0.001]。

◆16週間のアプレミラスト投与後にPASI 75を達成しなかった患者のうち、52週時に期間Bの主要評価項目であるPASI 90を達成した患者の割合は、アプレミラストの継続投与に割り付けられた患者さんと比較して、リサンキズマブ群に再無作為割付された患者で有意に高い結果となった[リサンキズマブ群:72.3%(83名中60名)、アプレミラスト群:2.6%(78名中2名)、P<0.001]。

◆52週間の継続投与後、52週時に事前に規定された評価項目であるPASI 90およびPASI 100を達成した患者の割合は、リサンキズマブ群でそれぞれ73.7%および63.6%であったのに対し、アプレミラスト群ではそれぞれ4.5%および2.7%であった(いずれも名目上のp値<0.001)。

 なお、同試験におけるリサンキズマブの安全性プロファイルは、これまでに報告されている試験と一致していた。リサンキズマブの忍容性は良好で、新たな安全性シグナルは認められなかった。リサンキズマブ群で特に高頻度に発現した有害事象(5%以上で報告)は、新型コロナウイルス感染症、鼻咽頭炎および上気道炎であった。
 アプレミラスト群で特に高頻度に発現した有害事象は、下痢、悪心および頭痛でした1。期間Aおよび期間Bに重篤な有害事象が報告された患者の割合は、リサンキズマブ群でそれぞれ0.8%および2.9%であったのに対し、アプレミラスト群ではそれぞれ1.7%および2.1%であった。再無作為割付された患者のうち、期間Aおよび期間Bに有害事象のため投与中止となった患者さんの割合は、アプレミラスト群でそれぞれ6.8%および5.2%であったのに対し、リサンキズマブ群では投与中止となった患者はいなかった。リサンキズマブの継続投与を受けた患者さんのうち、有害事象のため投与中止となった患者さんは1名であった。
 事前に規定された順位付けされていない評価項目である治療満足度調査バージョン9(TSQM-9)の分析によれば、アプレミラスト群と比較して、リサンキズマブ群では16週時の治療満足度がより高い結果となった。リサンキズマブ群では、3つのドメインすべてにおいて、アプレミラスト群より高スコア(最大スコアは100)となり、効果に関する満足度は80.6、利便性に関する満足度は84.9、全体的な満足度は86.2であったのに対し、アプレミラスト群ではそれぞれ46.9、 69.0、 47.7であった(いずれも名目上のp値<0.001)。
 スキリージは、ベーリンガーインゲルハイム社とアッヴィとの業務提携の一環で開発され、アッヴィが世界的にスキリージの開発と販売を主導している。

◆Mudra Kapoorアッヴィvice president, global medical affairs, immunology(M.D.)のコメント
 本試験は、全身療法の対象となる患者さんの高い水準での皮疹消失達成という点について、オテズラとの比較試験においてスキリージの有効性を示すものであり、先行試験で認められた安全性プロファイルを裏付けるものとなる。この直接比較試験のデータは、コントロールが得られていない疾患では、患者さんと医師による十分な情報に基づいた治療法の決定をサポートするうえで大変重要である。
 また、中等症の乾癬を有する成人患者さんの治療選択肢となりうるスキリージの一連のエビデンスに、これらの直接比較試験データが新たに加わった。

◆Linda Stein Gold治験責任医師(ヘンリー・フォード・ヘルスシステムの皮膚科臨床研究部長、M.D.)のコメント
 医師として、高い治療目標の達成を可能にするさまざまな選択肢を検証することは大変重要で、本試験から実診療に関わるデータを得ることができた。
 これらのデータによって、全身療法の対象となる中等症の尋常性乾癬患者さんに対するスキリージの有効性が裏付けられ、これまでの試験と同様の安全性プロファイルが認められている。

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