大阪府に第8次医療計画、2025年地域包括ケアで薬剤師が活躍するための支援を要請 大阪府薬

乾氏

 大阪府薬剤師会は3日、定例記者会見を開催し、乾英夫会長が、「2023年度大阪府の予算編成において、第8次医療計画、2025年地域包括ケアで薬剤師が活躍するために必要な事業に対する支援を要望した」と報告した。
 乾氏は、8月27日に開かれる大阪府薬剤師会学術研究カンファレンスについても、「第一回目は、全て地域薬剤師会の学術発表に関する取り組みを発表する内容になっている」と明かした。
 大阪府薬が2日に大阪府に対して行った2023年度大阪府の予算編成に対する要望では、①薬局における物価高騰・賃金上昇への対応に関する財政、②薬剤師復職支援のための研修事業等薬剤師不足対策事業、③麻薬・大麻・覚せい剤・危険ドラッグ・オーバードーズ等薬物乱用防止啓発事業、④災害時の医薬品確保体制の整備並びに薬局薬剤師の参画、⑤薬局における医療DXへの対応、⑥第8次医療計画に基づく医薬品提供体制の構築、⑦府民の「おくすり相談事業」の復活、⑧掛かり付け薬剤師・薬局の推進ーなどへの支援が盛り込まれている。
 その中で、薬局における物価高騰・賃金上昇への対応について乾氏が、「薬局に対して今年度も診療所と同じ3万円の支援金が出されることが決定している」と述べ、「8月21日から10月20日までの機関に申し込む必要がある」と説明した。

伊藤氏


 災害時の医薬品確保体制の整備並びに薬局薬剤師の参画では、伊藤憲一郎副会長が、「災害時の医療コーディネーターの中に、専門職として薬剤師を加えるように要望してきた」と述べた。
 伊藤氏は、第8次医療計画に基づく医薬品提供体制の構築に関しても「府民が必要な医薬品を確実に入手できるように官民が一体となった医薬品提供体制の構築が不可欠である」と強調。
 加えて、「小児を含む‟在宅医療”の体制の充実に対する支援」、「麻薬調剤や無菌調剤等の高度な薬学管理が可能な薬局の整備」、「24時間対応可能な薬局の充実を図るための予算措置」の重要性を訴えかけた。
 なお、2023年度大阪市の予算編成に対する要望は8月23日に行われる予定で、前述の大阪府への要望に加えて「学校保健技師の設置」が訴求される。

堀越氏

 大阪府薬剤師会学術研究カンファレンスについては堀越博一常務理事が、「医学論文の読み方や活用の仕方など、初心者向けの研究発表者へのアドバイスがプログラムされている」と説明。
 さらに、「第一回目の口頭発表は、全て地域薬剤師会の取り組みに関しての演題になっているが、次回以降は個人発表も見据えている。今後、定期的に年1回か2回の学術研究カンファレンス開催を企画する」考えを明らかにした。
 菱谷博次専務理事は、「国家戦略特区による訪問看護ステーションのさらなる薬剤配置提案」に言及し、「薬局の24時間対応によってその必要はないという理由で実施は見送られた」と報告。
 その上で、「これを契機に厚労省が各地区の薬剤師会を対象に‟薬局が24時間対応しているか”のアンケート調査を実施しており、全国の色々な地域状況が公表される可能性がある。現実に多くの薬局が24時間対応しているが、見える形にして進めていく必要がある」と強調した。

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