エダラボン経口懸濁剤のALS対象グローバルP3b試験中止 田辺三菱製薬

 田辺三菱製薬は1日、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を対象としたエダラボン経口懸濁剤「MT-1186」のグローバルP3b試験(MT-1186-A02試験)を中止すると発表した。同試験の中止は、外部専門家で構成される独立データモニタリング委員会(IDMC)が実施した中間解析結果に基づくもの。
 IDMCによる同試験中止の推奨は、安全性または有効性の懸念によるものではなく、エダラボン経口懸濁剤(日本製品名:ラジカット)の承認および使用に影響を及ぼすものではない。
 同試験は、エダラボン点滴静注製剤の承認時に米国FDAから要請を受けて実施した臨床試験で、28日間サイクルで投与する現行の用法と、1日1回毎日投与の用法を比較し、1日1回毎日投与における有効性の優越性や安全性を確認するための試験であった。
 IDMCは、全被験者の半数が48週間投与を完了した時点で中間解析を行い、ALS機能評価尺度改訂版(ALSFRS-R)スコアで評価した有効性について、現行の用法に対し、1日1回毎日投与の用法が、試験終了時に統計学的に優越性を示す可能性が低いとの結論に至ったため、本試験の中止が推奨された。
 中間解析結果において、エダラボン経口懸濁剤の現行の用法の有効性は、ALSの進行抑制を証明した点滴静注製剤のP3試験(MCI-186-19試験)の結果と類似していた。また、新たな安全性の懸念は認めらなかった。この決定の一環として、同試験の延長試験であるグローバルP3b試験(MT-1186-A04試験)も中止する。
 田辺三菱製薬は、同試験で得られた知見を活かし、リアルワールドエビデンスやバイオマーカーデータの研究など、ALS治療のさらなる進歩につなげていく。

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