小野薬品は12日、オプジーボとシスプラチンを含む化学療法の併用療法のP3試験(CheckMate-901試験)において、シスプラチンを含む化学療法に適格な切除不能または転移性尿路上皮がん患者に対して2つの主要評価項目である全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)の両方を達成したと発表した。提携するブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が11日に公表したもの。
サブ試験の結果では、シスプラチンを含む化学療法に適格な切除不能または転移性尿路上皮がん患者のファーストライン治療として、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)とシスプラチンを含む化学療法の併用療法後に続くオプジーボ単剤療法によるレジメンが、標準治療であるシスプラチンを含む併用療法と比較して、OSおよびPFSで統計学的に有意なベネフィットを示した。
尿路上皮がんのファーストライン治療において、オプジーボとシスプラチンを含む化学療法の併用療法の安全性プロファイルは良好な忍容性を示し、これまでに報告されているものと一貫していた。新たな安全性の懸念は認められなかった。
今後、BMSは、データの全評価を完了させ、学会で結果を発表するとともに、規制当局と協働していく。
CheckMate-901試験の主要試験は、未治療の切除不能または転移性尿路上皮がん患者を対象に、オプジーボとヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法を標準治療であるシスプラチンまたはカルボプラチンを含む化学療法と比較評価する試験で、シスプラチンに不適格な患者コホートを対象に進行中である。
オプジーボは、これまでに転移性尿路上皮がんのセカンドライン治療および根治切除後の高リスク筋層浸潤性尿路上皮がんの術後補助療法など、尿路上皮がんのさまざまな治療段階において臨床ベネフィットを示している。
切除可能または転移性尿路上皮がんのほか、オプジーボ単剤療法およびオプジーボによる併用療法は、これまでに進行腎細胞がん、非小細胞肺がん、悪性胸膜中皮腫、転移性悪性黒色腫、および食道扁平上皮がんを含む複数のがん腫に対する第Ⅲ相試験でOSの有意な改善を示している。
◆Dana Walker BMSバイスプレジデント兼泌尿生殖器がん領域グローバル開発プログラム責任者(M.D.、M.S.C.E.)のコメント
本日のニュースにより、免疫療法薬による併用療法ががん患者さんの予後に変革をもたらす可能性がまたひとつ示された。オプジーボとシスプラチンを含む化学療法の併用療法は、シスプラチンを含む化学療法に適格な未治療の切除不能または転移性尿路上皮がん患者さんにおいてOSおよびPFSの両方を改善した初めての免疫療法薬による併用療法である。さらに、進行腎細胞がんにおける持続的な生存期間の延長や切除可能な筋層浸潤性尿路上皮がんにおける再発リスクの低減など、さまざまな泌尿生殖器がんに対してオプジーボによる治療法のベネフィットを裏付けている。
我々は、今回の肯定的な結果に勇気づけられ、アンメットニーズが高い患者さんに今後も新たな治療法をお届けできるよう尽力していく。