ダトポタマブ デルクステカン 非小細胞肺がん対象P3試験で主要評価項目の一つが未達 第一三共

 第一三共は3日、ダトポタマブ デルクステカンについて、非小細胞肺がんの二次/三次治療を対象としたP3試験(TROPION-Lung01)の中間解析において、主要評価項目の一つである全生存期間が未達であったと発表した。
 同試験は、Actionable遺伝子変異の有無を問わず、前治療歴のある進行または転移性非小細胞肺がん患者約600名における同剤投与群の有効性と安全性を、ドセタキセル投与(現在の標準治療である化学療法)群と比較して評価したグローバルP3試験。
 同試験の主要評価項目の一つである無増悪生存期間において、同剤投与群はドセタキセル投与群に対し統計学的に有意な改善を示した。
 もう一つの主要評価項目である全生存期間の中間解析においては、同剤投与群はドセタキセル投与群に対し初期の改善傾向が認められたものの、統計学的に有意な改善を示さなかった。全生存期間については、最終解析まで引き続き評価が継続される。
 安全性については、新たな懸念は認められず、同剤の他試験結果と同様の傾向であった。同剤と関連のある間質性肺疾患(ILD)については、大部分が低グレード(グレード1または2)であったが、グレード5(死亡)も認められた。これらの試験結果の詳細は、今後、学会で公表される予定である。
 第一三共とアストラゼネカは、トラスツズマブ デルクステカンとダトポタマブ デルクステカンに関して、それぞれ2019年3月と2020年7月に、全世界(第一三共が独占的権利を有する日本は除く)において共同で開発及び商業化する契約を締結しており、第一三共が両剤の製造及び供給を担う。
 両社は、世界中の非小細胞肺がん患者へ同剤を届けられるるよう、同試験結果に基づき同剤の承認申請に向けた次のステップを検討していく。
 なお、現在進行中のActionable遺伝子変異のない非小細胞肺がん一次治療を対象に同剤とペムブロリズマブとの併用療法を評価するP3相試験(TROPION-Lung07、TROPION-Lung08)は、計画通り進めていく。

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