アストラゼネカは2日、イミフィンジとリムパーザの併用療法およびイミフィンジの単剤療法について、P3相DUO-E試験においていづれも化学療法への追加で進行子宮内膜がん患者の無増悪生存期間を有意に延長したと発表した。
新たに診断された進行または再発子宮内膜がん患者さんを対象とした同試験では、イミフィンジと白金製剤ベースの化学療法との併用療法後に、維持療法としてのイミフィンジとリムパーザの併用療法またはイミフィンジの単剤療法のいずれもが、標準化学療法単独と比較して無増悪生存期間(PFS)の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示したもの。
維持療法としてのイミフィンジとリムパーザの併用療法では、より強い臨床的ベネフィットが認められた。
同解析時点では、全生存期間(OS)のイベント数は不十分であったが、いずれの投与レジメンでも延長傾向が認められた。
子宮内膜がんは女性では世界で6番目に多いがんであり、2020年には41万7000人以上が診断され、9万7000人以上が死亡している。
また、今後診断される患者数は 2040 年までに約40%増加すると予想されている。現在、進行子宮内膜がんの標準治療は化学療法である。
だが、子宮内膜がんの初回治療における長期的な転帰は現在も不良のままであり、新たな治療選択肢が必要とされている。
イミフィンジと化学療法の併用療法およびイミフィンジとリムパーザの併用療法の安全性および忍容性プロファイルは、過去の臨床試験、および個々の医薬品の既知のプロファイルと概ね一貫していた。
これらのデータは近く開催される医学学会で発表される予定で、規制当局とこれらのデータについての協議が期待される。
なお、イミフィンジ、リムパーザおよびイミフィンジとリムパーザの併用療法における子宮内膜がんに対する適応は、本邦未承認である。
◆DUO-E 試験治験責任医師のShannon N. Westin 氏()テキサス大学 MD アンダーソンがんセンター婦人科腫瘍学および生殖医学科教授)のコメント
今回発表されたデータは、イミフィンジによる免疫療法が子宮内膜がん患者さんの病勢進行を有意に遅らせる可能性があり、PARP 阻害剤であるリムパーザを追加することで、その治療ベネフィットを更に大きくできる可能性を示した素晴らしいデータである。
これらの薬剤による併用療法は、患者さんの転帰を改善させる新たな治療アプローチとなりえるだろう。
◆Susan Galbraithアストラゼネカオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントのコメント
今回のDUO-E試験のデータによって、免疫療法とPARP 阻害薬を組み合わせることで、子宮内膜がん患者さんに臨床的に意義のある改善をもたらすことが初めて示された。
これらの結果は、がん治療を再定義するという目標への私たちの意欲をはっきりと強調するものであり、このイミフィンジとリムパーザの併用療法を、子宮内膜がんの患者さんに可能な限り早くお届けしたいと考えている。