大幸薬品は30日、二酸化塩素が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発症を減少させる可能性を示唆する論文を発表したことを明らかにした。
同研究成果は、都内大学大学院医学研究科内に開設した共同研究講座「集団感染予防学講座」との共同研究によるもの。
二酸化塩素放出ゲル(据え置き型)を教室に設置した小学校において、設置していない小学校より新型コロナウイルス感染症の発生率が低かった。今後、新たな感染対策の一つの可能性として、二酸化塩素の利用が考えられる。
研究は、2022年1月から3月まで、日本の都市部にある公立小学校において、新型コロナウイルス感染症の発生状況を遡及的に調査したもの。同研究成果は、新型コロナウイルス感染症の発生率と、二酸化塩素放出ゲル剤の設置との関連性を示唆しているが、二酸化塩素放出ゲル剤を希望する小学校にのみ配布したもので、対象母集団の特性に偏りがある可能性がある。
加えて、生経路に即した解析ができておらず、因果関係を究明するためにはさらなる研究調査が必要となる。
大幸薬品では、同研究成果の活用も踏まえ、さらなる研究により、安全性・有効性に関するエビデンスを集積し、感染予防対策での二酸化塩素の活用を提言していく。