オプジーボと化学療法併用療法 非小細胞肺がん術前補助療でCHMPが承認推奨 小野薬品

 小野薬品は29日、オプジーボと化学療法の併用療法について、非小細胞肺がんの術前補助療法として欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が承認を推奨したと発表した。
 適応症は、PD-L1発現レベルが1%以上で再発リスクが高い切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)の成人患者で、オプジーボとの併用は、プラチナ製剤を含む化学療法の併用療法の3回投与。提携するブリストルマイヤーズ スクイブ(BMS)が26日に公表したもの。
 CHMPの推奨は、今後、欧州連合(EU)で医薬品を承認する権限を持つ欧州委員会(EC)によって審査される。
 今回の肯定的な見解は、オプジーボと化学療法の併用療法の3回投与による術前補助療法が、化学療法単独と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無イベント生存期間(EFS)および病理学的完全奏効(pCR)の改善を示したCheckMate -816試験の結果に基づく。
 オプジーボと化学療法の併用療法の安全性プロファイルは、これまでに報告されたNSCLCにおける試験のものと一貫していた。
 CheckMate -816試験のpCR、EFSおよび全生存期間(OS)の予備データの主要解析は、以前に学会で発表され、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン誌に掲載されている。同併用療法による持続的な臨床ベネフィットを示す3年間のデータは 2023年欧州肺がん学会で発表された。
 CheckMate -816試験では、OSを含む主な副次評価項目およびサブグループ解析の評価が進行中であり、引き続きデータの収集を進めていく。
 現在、オプジーボと化学療法の併用療法は、PD-L1発現レベルにかかわらず、切除可能なNSCLC患者の術前補助療法として、米国、日本および中国を含む21カ国で承認されており、世界の保健当局によって申請の審査が進められている。
 オプジーボによる治療法は、肺がん、膀胱がん、食道/胃食道接合部がんおよび悪性黒色種の4つのがん腫の術前補助療法または術後補助療法として、有効性が示されている。

◆Abderrahim Oukessou BMSバイスプレジデント兼胸部がん領域開発担当(M.D.)のコメント
 肺がんの治療は進歩しているものの、残念ながら現実には依然として多くの患者さんが最終的に再発し、亡くなる可能性がある。
 CheckMate -816試験の結果に基づき、オプジーボと化学療法の併用療法は、術前の投与によって切除可能なNSCLCの再発、病勢進行および死亡のリスクを低減した最初の免疫療法薬をベースとしたレジメンである。
 CHMPの推奨を受け、再発リスクを低減する可能性がある有効かつ忍容性が良好な術前補助療法の新たな治療選択肢により、欧州連合の特定の患者さんに疾患の経過を変える機会を提供するという喫緊のニーズの解決に向けて、一歩前進することができた。

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