勤次郎は24日、「母子手帳」と「電子カルテ」のネットワーク化による地域包括「周産期医療」支援システムで特許を取得したと発表した。
周産期ネットワークは、高次医療機関(中核病院など)と、地域医療機関(地域の産婦人科病院やクリニックなど)とが連携して周産期医療を行う医療情報の地域連携ネットワークだ。
基幹病院を中心として、地域医療機関である連携クリニック、妊婦によって構成される医療情報共有ネットワークで、医療機関から配布される共通診療ノートの情報と母子手帳によって情報が共有される。
勤次郎では、この仕組みをシステム化し、より迅速により詳細に情報共有できる仕組みを提供している。
従来の「周産期ネットワーク」は、二回目以降の妊娠時に、以前に出産した子の母子手帳を関連付けるシステムがなかった。従って、以前に出産した子の医療情報は、二回目以降の妊娠時には、医師による問診により確認されるため、その作業は煩雑であった。
勤次郎「周産期WEB」の特許機能の発明により、二回目以降の妊娠時の診察において、以前に出産した子の母子手帳の情報や妊婦健診の診察情報を容易に活用することが可能となった。
厚労省より、産婦人科や産科がある病院の29年連続での減少(2019年10月時点)が発表されている。出産が可能な病院の減少により、妊婦にかかる負担も大きくなる。例えば、普段診療を行うクリニックと、実際に出産をする病院が異なる可能性が高くなる。その際、2つの病院間の連携は妊婦自身が担うことになる。こうした中、勤次郎「周産期WEB」は、次の機能によって妊婦をアシストできる。
1.妊婦さん・基幹病院・連携クリニックの情報共有
情報をWEB上で一元管理することで、不測の事態に同じ情報の参照ができる。
2.ママケリー(勤次郎の無料アプリ)との連携
ママケリーに入力した母子手帳の情報を簡単に参照できる。
3.過去データと比較
過去の出産の状態と妊娠中の経過と今回の経過の確認ができる。
4.データ入力の簡易化
共通診療ノートと母子手帳の写真を撮影し、ママケリーから代行入力を依頼できる。データはWEB上で管理するため、紛失等の心配もない。基幹病院と連携クリニックのみならず、妊婦自身もいつでも、どこでもスマホから自由に情報をチェックできる。
ママケリー(アプリ)では、生理・妊活・妊娠・出産・育児の記録をひとつのアプリで簡単に管理できる。選べる切替モード(生理・妊活・産前・産後)でアプリを切り替えることなく、いくつもアプリをインストールする必要がない。
産前モードでは、母子手帳の内容が全てデータ化されているので、「電子母子手帳」として使える。エコー写真やマタニティフォトも保存できるので、楽しく妊婦健診を記録できる。
写真や入力したデータはすべてクラウド上に保存されるため、スマホの容量を気にする必要もない。大切な母親の健康と、赤ちゃんのすこやかな成長のための利用が期待できる。
今回取得した特許7272288号の概要は、次の通り。
◆発明の名称:医療情報共有システム、医療情報共有方法、および医療情報共有プログラム
◆特許取得日:2023年5月1日
◆特許の内容:医療機関が、患者である母親が持つ複数の母子手帳情報を活用し、効率的かつ適切に診療を行うことを支援するシステム、方法に関する特許。