メディカルノートと睡眠関連疾患啓発で業務提携 アキュリスファーマ

日本の睡眠課題解消に向けた「睡眠エコシステム」構築を目指して

 神経・精神疾患領域で革新的な治療薬の開発と商業化を推進するアキュリスファーマは23日、国内最大級のヘルスケアメディアのメディカルノートと睡眠関連疾患啓発について業務提携したと発表した。
 同提携は、睡眠関連疾患の早期発見と受診、及び適切な疾患管理と患者のQOL向上に関する情報発信を目的としたしたもの。
 睡眠に関連する諸問題が日本社会に及ぼしている影響は甚大だ。睡眠不足に伴うプレゼンティーズム(健康問題による出勤時の生産性の低下)やアブセンティーズム(健康問題による欠勤や病欠)によって、GDP の約 3%、およそ15兆円相当(年間)の経済損失が生じているとの調査報告もある。
 諸外国に比べて日本人の睡眠時間は短く、その背景にストレスや睡眠に関する正しい知識の不足などがあるため、国が推進する「21 世紀における第 2 次国民健康づくり運動【健康日本 21(第2次)】」においても睡眠は主要なテーマの一つに掲げられ、啓発の強化が謳われている。
 適切な睡眠と日中の覚醒を妨げる要因として、睡眠関連疾患に関わる問題も挙げられる。睡眠関連疾患や、睡眠関連疾患に伴う合併症(心血管疾患やうつ病など)に対し、適切な医療的介入が遅れることにより、医療費等のコスト増大が報告されている。
 患者の QOL、生命予後、生産性の改善を図り、社会的な損失を低減するために、関連疾患が疑われる人を早期に発見し、適切な医療を届けることが求められている。
 メディカルノートは 3100名以上のKOL医師が参画し、2014年の創業以来 2800 以上の疾患・症状辞典や、6500を超える医師インタビュー記事を提供してきた国内最大級の医療情報メディアである。
 病院、学会、協会、官公庁、自治体、医療系企業との幅広い連携により、主要な病気から難病・希少疾患まで広く疾患啓発活動を行ってきた。
 アキュリスファーマは、睡眠に関わる問題を、関連疾患を抱える患者だけでなく広く一般生活者に関わる社会的課題と捉え、その解決に取り組んでいる。そのためには正しい睡眠に関する知識の普及が必要となる。
 また、同社が治療薬の開発を進めるナルコレプシーや閉塞性睡眠時無呼吸症候群の主な症状の一つに「日中の過度の眠気」があるが、日中の眠気は睡眠不足や他の要因と疾患の見分けが難しく、患者自身が病気に気づかず、適切な診断や治療が遅れ、生活の質や日中のパフォーマンス低下が問題となってきた。
 こうした中、メディカルノートとアキュリスファーマが協力し、患者やその家族、学校、職場を含む社会全体に対して、疾患の早期発見につながる正しい情報を広く伝える睡眠関連疾患の啓発活動を開始する。
 今後は、インターネット上の医療情報発信をリードしてきたメディカルノートの知見を活用し、未診断の患者や周囲の人々が睡眠関連疾患を疑うべき症状やリスクを正確に理解し、診過ごされている患者の早期受診・診断の実現を目指す。
 また、治療中の患者に対しては適切な疾患管理や最新の専門治療情報を発信することで生活の質向上に貢献する。提携業務内容(予定)の内容は、次の通り。

◆主な活動:メディカルノートの一般向け情報サイト内に睡眠関連疾患に関する特設サイト構築

◆対象: 睡眠関連疾患が疑われるが、病気の自覚がない未診断の患者および未診断の患者の両親、担任や養護教諭、職場の同僚、上司等

◆提供情報:睡眠不足と疾患の見分け方、睡眠関連疾患の種類
 症状や治療法、セルフチェックシート、病院検索、日常生活での留意点

◆公開タイミング:2023 年 9 月頃

 「睡眠エコシステム」では、睡眠の重要性を啓発しながら課題を顕在化し、疾患のリスクがある人には受診行動を促すことで医療へのアクセスを確保する。
 また、治療開始後も日常的な症状のモニタリングにより、個人差の大きい睡眠の状況を可視化し、ひとり一人、その時々に最適な対応が可能となる環境づくりを目指す。

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