ファイザーは26日、アビバクタムナトリウム・セフタジジム水和物配合点滴静注用について医薬品製造販売承認申請を厚生労働省に行ったと発表した。
同剤は、セフェム系抗菌薬であるセフタジジム水和物に、新規のβ-ラクタマーゼ阻害薬アビバクタムナトリウムを配合した注射用β-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤。
グラム陰性菌は、敗血症、肺炎、尿路感染症、腹腔内感染症等の様々な感染症の原因菌となり、近年ではこれらの薬剤耐性菌の増加が問題となっている。
アビバクタムナトリウムがβ-ラクタム系抗菌薬の耐性機序に関わるβ-ラクタマーゼのうち、AmblerクラスA、クラスCおよび一部のクラスDのセリン-β-ラクタマーゼを阻害することで、セフタジジム水和物がβ-ラクタマーゼ産生菌に対して抗菌作用を発揮する。
今回の承認申請は、複雑性腹腔内感染症患者を対象とした国内P3試験と2016年にファイザーが米国およびカナダ以外の開発・商業化の権利を得る前に実施された国際共同治験の結果等に基づくもの。
◆石橋太郎ファイザーR&D合同会社社長のコメント
アビバクタムナトリウム・セフタジジム水和物配合点滴静注用を承認申請できたことを嬉しく思う。本剤は、薬剤耐性菌を含む原因菌による複雑性尿路感染症、複雑性腹腔内感染症、人工呼吸器関連肺炎を含む院内肺炎と、これらの感染症に関連する菌血症に対する治療薬として海外で承認されており、本邦でも薬剤耐性(AMR)対策の新たな治療選択肢となることが期待される。