2023年3月期期末配当予想を15円増額 塩野義製薬

 塩野義製薬は24日、2023年3月期期末配当予想を1株当たり60円から75円に引き上げると発表した。年間配当は135円(2022年3月期実績115円)となる見通し。
 同社では、先行投資を続けてきた新型コロナ経口治療薬ゾコーバが、昨年11月22日付で国内の製造販売承認を取得し、日本政府による200万人分の購入に伴う売上収益を計上した。
 2023年3月31日からは、国内で一般流通を開始し、必要な患者に同剤を速やかに届ける体制下で、早期診断・早期治療の実現に資する活動を進めている。
 また、中国・韓国を中心としたアジアでの実用化に向け供給体制の構築をはかるとともに、欧米を含めたさらなるグローバル展開に向け臨床試験を進展する。
 また、COVID-19に対する予防ワクチン(開発番号:S-268019)について、2022年11月24日付で日本国内における製造販売承認申請を行い、現在厚労省および医薬品医療機器総合機構による審査が進められている。
 流行によらない持続的な感染症ビジネスモデルとして、ワクチン事業を次なる収益ドライバーとする取り組みが大きく前進した。
 さらに、次なる成長ドライバー候補である複数の開発プロジェクトについても積極投資の結果として臨床試験のステージアップを実現し、今後のさらなる成長に向けた強固な基盤を構築した。
 これら取り組みに加えて、英国ヴィーブ社によるHIVフランチャイズの売上が、ドウベイト、Cabenuvaなどの新製品を中心に大きく伸長し、ヴィーブ社から堅調なロイヤリティー収入、配当金を受領した。HIVフランチャイズについては、長時間作用型製剤であるCabenuva、Apretudeの市場浸透が大きく前進しており、中長期的な成長が期待される。
 これらの成果により中期経営計画STS2030を前倒して改定する予定にあり、2023年3月期の良好な通期業績が見込めるとともに、2024年3月期以降の持続的な成長が期待される。
 こうした背景ならびに財務状況、STS2030の株主還元指標であるEPS、DOE、ROE等を総合的に勘案した結果、前回発表(2022年5月11日)の期末配当予想を1株当たり15円増配の75円に修正する。
 これにより、中間配当と合わせた年間配当金は1株当たり135円となり、前期と比べて20円の増配となる。

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