ユーグレナは、20代~60代の働く男女1000人を対象に、歓迎会などの会食が増える今の季節の会食でのマスク着用の有無や感染対策への意識調査結果を発表した。
同調査は、3月13日より、厚労省の発表でマスクが義務ではなく自由意志での着用となったことに伴い実施されたもの。調査の結果、いまだ会食における感染リスクを懸念する人が4割弱を占め、3割強の人が日頃からの免疫対策も意識していることが判った。
この調査結果を受け、一般市民の関心の高い免疫対策について管理栄養士のShie氏が日頃の食生活でできる免疫対策を解説した。
調査結果及びShie氏の解説は次の通り。
【調査結果】
◆未だ9割の人が、必要に応じて会食時のマスクを着けている
歓送迎会シーズンのマスクの着用について質問したところ、「マスクは常に完全に外している」という人は10%で、「必要に応じてつけている」という人が90%と、まだ大半の人がマスク着用の習慣を完全にはやめていないことが伺える。(図1)
◆上司や取引先、義両親など、人間関係上の外圧で、飲食時に限らず“マスクをはずさざるを得ない状況”も想定される。その際の対応としては、「自分の意志を貫きマスクを外さないようにする」が最多で27.8%、次点が花粉症や風邪気味であるなど、「当たり障りのない嘘をついてマスクをつける」で26.9%と、まだマスクを外さないようにしている人が合わせて54.7%を占める。
「気まずいので不安だが仕方なくはずす」(17.1%)と、不安で不本意ながら周囲に合わせて外す人もいた。(図2)
◆会食時の感染リスクを「まったく気にしない」人は1割強。全体の7割弱が何らかの物理的な感染対策を講じている。
会食に対する姿勢については、「内心コロナ感染が不安なので行かない/参加しても早めに帰る」という人が37.7%と最多で、次いで「日頃から免疫力を高めておく努力をする」という人も31.3%と3割強いた。
全体の7割弱(67.6%)が、何らかの“物理的な”感染対策(「内心コロナ感染が不安なので行かない/参加しても早めに帰る」、「歓送迎会後の感染ケア(うがい手洗いや最低限の配慮)だけはする」、「感染リスクが高そうな人から離れる」、「広い店、換気のいい店などの希望を伝える」)といった策を講じていることもわかった。
◆これに対して、「感染リスクはまったく気にしない」(13.2%)、「割り切って楽しむ」(11.7%)と、感染を意識しないという人はいまだ1割強程度と少数派であるようだ。(図3)
会食の際、何らかの物理的な感染防止策を講じていている人のうち86.5%は、日頃からの免疫対策はしていない。
だが、(図3)の“物理的な”感染防止策を講じている人(676人)の中で、さらに「日頃から免疫力を高めておく努力をしている」を抽出すると、わずか91人(13.5%)にとどまることもわかった。
その場でできる物理的な感染対策への意識は高いながら、日頃から自身の免疫力それ自体を底上げしておくという意識は希薄なことが伺える。
【Shie氏に聞く、免疫対策を意識した、会食シーズンの食対策】
免疫機能に役立つ栄養素は?
たんぱく質は、細胞の主要な成分。免疫細胞やその機能も、たんぱく質がないとうまく働くことができない。たんぱく質を不足なく摂取することで、正常な免疫のシステムを維持する。
牛乳・肉・魚・卵等の必須アミノ酸を多く含む動物性のたんぱく質や、豆腐、小麦、米等の植物性たんぱく質をバランスよく摂取しよう。
さらに、菌やウイルスの侵入を防いでくれる、喉や鼻の粘膜強化に働くビタミンAや、体の中でビタミンAに代わるβ-カロテン、粘膜の健康維持に加え、ウイルスや細菌と戦う白血球に必要なビタミンC、免疫細胞の活性化や機能調整に働くビタミンB6やD、抗酸化作用を持ち、免疫機能の低下を招く活性酸素の働きを抑えるビタミンEなどのビタミン類も有用である。
免疫細胞の活性化に働く亜鉛などの微量栄養素も免疫機能をサポートしてくれる。
「バランス良く摂る」、が基本でありながら、「肝」!
このように、免疫対策に関わる栄養素は非常に多くあるが、意識せずに食事を摂っていると、脂質や糖質が多くなってしまったり、ビタミン、ミネラルといった微量栄養素が不足してしまう等、栄養素のバランスが偏ってしまう場合もある。大前提としてバランスの整った食生活を送ることが非常に重要だ。
数々の栄養素は他の栄養素と相互連携して働くので、ピンポイントで特定の栄養素を摂取しても他の栄養素が不足していることで最高のパフォーマンスを発揮できないケースがある。
これは、“桶の理論”とも呼ばれ、図のように、栄養素1つ1つが桶の板にたとえられ、板の高さが足りない箇所、すなわち何か不足している栄養素があると、そのレベルまでしか他の栄養素も作用できない。
微量栄養素などをバランスよく摂るためには、主菜だったら肉だけでなく魚や卵も食べることや、いろいろな種類の野菜を幅広く摂るなど、食材が偏らないような食事の継続が基本である。だが、忙しい時等、こうした食事が難しい場合は、簡単に栄養素を補給できる加工食品等を利用するのも一つの方法である。
例えば、不足しがちな微量栄養素を含め、オールラウンドに59種類の栄養素を含むユーグレナは、ミルクや豆乳で割って飲んだり、お味噌汁や調味料に混ぜることも出来るので、日々の習慣に無理なく取り入れ易い点が良いところだ。
細胞壁をもたないユーグレナは、栄養素が体内に吸収されやすい特長があるというのも注目すべきポイントである。
この時期に増えてくる会食は、ビタミンやミネラル、食物繊維といった栄養素が不足しがちだが、会食時に野菜のメニューを頼んだり、手軽に携帯しておけるタブレットや粉末タイプのユーグレナを取り入れてあげるのもおすすめだ。
糖質のとり過ぎが気になる外食であるが、ユーグレナには血糖値の上昇を緩やかにしてくれる食物繊維も含まれているのも嬉しいところだ。
腸管免疫を整える「腸活」も意識
腸内には、もともと免疫の働きを担っている細胞や、病原菌などの身体に害を及ぼす物質を撃退するために戦ってくれる抗体が多くある。これを「腸管免疫」と言う。そのため、腸を元気にし、腸管免疫のシステムを正常にすることが重要だと考えられている。
腸管免疫を高めるには、腸内環境を整えてあげる「腸活」がおすすめだ。腸内には細菌がバランスを取りながら多様に存在しているが、中でも特に善玉菌を摂ること、善玉菌が増えるような環境を作ることが重要である。
ヨーグルト等に含まれる菌は、商品により生菌(生きている菌)と死菌(死んでいる菌)両タイプあり、生菌はもちろん腸内で活動し腸内環境を整えてくれるが、死菌でも有効な生理機能が期待できると注目を集めている。
次に、オリゴ糖や食物繊維などの、腸内の善玉菌のエサとなり善玉菌を増やしてくれる働きをもつ「プレバイオティクス」を摂取することも効果的だ。野菜や豆類、果物などに多く含まれる。
食物繊維は、善玉菌のエサとなる他、便のかさを増やす等でも整腸作用があることで知られるが、ユーグレナに多く含まれる特有の食物繊維「パラミロン」は、免疫細胞の活性化という面でも期待されている。
プロバイオティクスやプレバイオティクスを同時に摂取することは、腸内フローラの維持・改善に効果的な組み合わせなので、例えば生菌を含むヨーグルト等に、食物繊維が含まれるユーグレナパウダーを混ぜて食べるのは、免疫対策の朝食・間食としてもおすすめできる。
注目の菌、「酪酸菌」とは
善玉菌の中でも、今注目を集めているのが「酪酸菌」だ。酪酸菌が食物繊維を分解して作る酪酸は、腸の粘膜を丈夫に保つ働きが知られていたが、これに加え、免疫や代謝に対する働きが明らかになってきている。
食品には、ぬか漬けなどに多く含まれているが、腸内にも存在するので、エサとなる食物繊維を摂るのも良いだろう。
栄養メリットだけではない、1日3食を摂った方がいい理由
食事は抜かずに、1日3食摂ることがやはり大切。様々な食材から、ひろく栄養素を摂り易いということはもちろんだが、もう1つは、食事をすることで体温が上がり、血流の流れが良くなることで白血球の動きが活性化されるということにある。
「体温が1℃下がると免疫力は約30%低下する」と言われている。特に、朝食欠食は低体温の状態を招きやすいので、忙しくても欠かさないよう心掛けて頂きたい。
アルコールの飲みすぎは、やはりNG
アルコールは、ウイルスの侵入を防いでくれる喉や胃腸の粘膜を荒らし、自然免疫や獲得免疫等の免疫機能も低下させてしまうと言われている。適度な飲酒は血流を促す等の利点もあるが、過度になると高血圧等を招き、血管を傷つけ、ウイルス等からのバリア機能を弱めることにもつながる。
1日の適量は、純アルコール量で20g程度(ビールなら中びん1本(500ml)、日本酒は1合(180ml)、ワインなら1/4本(180ml)程度)と言われているので、ほどほどでおさえておくべきである。