キイトルーダと化学療法との併用療法 進行悪性胸膜中皮腫の一次治療P2/3試験で好結果 MSD

 MSDは31日、キイトルーダについて、切除不能な進行または転移性の悪性胸膜中皮腫の一次治療における同剤と化学療法の併用療法を評価するP2/3相CCTG IND.227/KEYNOTE-483試験で、主要評価項目の全生存期間(OS)を達成したと発表した。
 IND.227試験はCCTGが実施医療機関となり、イタリア(共同実施組織:National Cancer Institute of Naples – NCIN)およびフランス(共同実施組織:The French Cooperative Thoracic Intergroup – IFCT)の治験責任医師と共同で実施された。MSDは、キイトルーダを提供し、試験を支援した。
 本試験の最終解析でキイトルーダと化学療法の併用療法群では、化学療法単独群と比較して統計学的に有意かつ臨床的に意味のあるOSの改善が認められた。 同試験におけるキイトルーダと化学療法の併用療法の安全性プロファイルはこれまでに報告されている試験の結果と一貫していた。
 今後様々な腫瘍関連学会で発表するとともに、世界各国の規制当局へ承認申請する予定である。 
 MSDは、肺がんの広範な臨床開発プログラムを実施しており、早期がんや新たな併用療法を対象とする研究など、承認申請に向けた複数の試験を実施している。
◆Eliav BarrMSD研究開発本部シニアバイスプレジデントでグローバル臨床開発責任者、チーフメディカルオフィサーのコメント
 悪性胸膜中皮腫は肺あるいは胸腔を包む膜に発生する進行の速いがんで予後は不良である。生存率を向上させる新たな治療が求められており、今回の良好な結果で、キイトルーダと化学療法の併用療法が悪性中皮腫の中で最も多い悪性胸膜中皮腫の一次治療として期待できることが示された。

◆IND.227 trial/KEYNOTE-483試験の研究責任者のQuincy Chu博士(CCTG)のコメント
 手術や放射線治療だけではなかなか治療が難しい悪性胸膜中皮腫の患者さんに対する治療法はほとんど進歩していない。本試験の結果は、治療の選択肢が限られるこの疾患の患者さんに新たな変化をもたらす可能性がある。

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