京都府薬剤師会は26日、同会館で2022年度第21回臨時総会を開催し、次期会長候補として現会長の河上英治氏を選出した。河上氏は、6月に開かれる定時総会での承認を得て次期会長に就任する。
また、2023年度予算案および事業計画や同会定款の一分変更を承認し、定款変更では、「副会長を現在の4人から5人」、「常務理事を5人以内から8人以内」、「理事を20人以上28人以内から20人以上35人以内」へそれぞれ改正した。
定款変更は、会員数の増加と同法人への社会からの期待の高まりとともに多岐にわたるようになった法人業務に対応するための業務執行強化し、法人の運営実態を定款に反映させ、より明確化することを目的としたもの。定款変更に伴い、新たな業務執行理事として副会長に砂川雅之氏、専務理事に川野義光氏、常務理事に夏目君幸氏を任命した(任期は6月の総会まで)。
総会では、河上氏が次期会長候補者の所信表明として、「京都府薬は京都府病院薬剤師会と統合して10年を経過したが、その中で病診部会、薬局部会、学校薬剤師部会のシステムのあり方についてはよりよ良くなるように改善していきたい」と断言。
さらに、第8次医療計画にも言及し、「特に、薬剤師の偏在の問題も含めて病診部会と協力しながら京都府における展開を進めて頂けるようにお願いしていく」考えを示した。
定款変更で理事の総数を増員した理由にも触れ、「特に女性の登用を目的としている」と説明し、「次期の理事をお願いする先生に関しては、前向きな返事をお願いしたい」と呼びかけた。
2023年度予算は、収入合計2億2632万2000円、支出合計2億7632万2000円。収支差額の5000万円は、前期繰越収支差額で補填する。
事業計画は、2021年度の計画に設定された大・中・小項目のそれぞれの項目において、目標として「患者・府民本位のより良い医療の実現」を掲げ、「連携強化」、「薬局強化」、「病院強化」、「職能の充実」、「組織強化」を大きな5本柱(大項目)としている。
5本柱の下に、中・小項目を設定しており、それぞれの所管委員会が各地域・職域薬剤師会会長とも密な連携を図って事業が遂行される。各5本柱の中項目は、次の通り。
◆連携強化=「外来通院時、入退院時、在宅時の情報共有」、「医療安全の強化」、「感染対策の強化」、「生涯研修・人材育成の強化」、「医療ICTへの対応体制の強化」など。
◆薬局強化=「かかりつけ薬剤師・薬局機能強化」、「地域医療における多職種との連携強化」、「高度薬学管理機能強化」、「健康サポート機能強化」など
◆病院強化=「人材育成・病棟薬剤業務の充実」、「入退院支援・医療連携の強化」、「薬剤師確保・地域偏在への対応」、「精神・療養・中小病院・診療所業務の強化」など
◆職能の充実=「健康福祉行政、公衆衛生への関与」、「地域薬剤師活動の充実」、「広報・情報活動の充実」、「災害対応の充実」など
◆組織強化=「薬剤師会の組織・機能の強化」、「財政基盤の安定化」、「DI機能の強化」、「学校薬剤師の機能強化」など