二酸化塩素による H7N9型鳥インフルエンザウイルス不活化を確認 大幸薬品

 大幸薬品は11日、二酸化塩素ガス溶存液及び二酸化塩素ガスによって、H7N9型鳥インフルエンザウイルスが99.999%以上不活化することを確認したと発表した。
 同結果は、中華人民共和国内「上海復旦大学三級生物安全防護実験室」で実施したH7N9型鳥インフルエンザウイルスに対する二酸化塩素の効果に関する実験により確認されたもの。
 同社は、2022年12月、Biosafety and Health (2022)において同試験結果内容を記載した論文(https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2590053621001221)を発表した。なお、同件の実験期間は、2015年4月から11月まで。
 同実験は、H7N9型鳥インフルエンザウイルス混濁液に対し、二酸化塩素ガス溶存液及び二酸化塩素ガスを暴露させることによって、物体表面に付着するH7N9型鳥インフルエンザウイルスが受ける効果を明らかにしたもの。
 大幸薬品では、「二酸化塩素」に関する開発研究を行うため、2004年8月から二酸化塩素事業開発室を立ち上げ、病院の解剖室内での浮遊菌測定をはじめ、さまざまなウイルス・菌に対する検証を重ねてきた。
 「H7N9型鳥インフルエンザウイルス」は、鳥・ヒトインフルエンザウイルスの両方に感染し、交雑宿主となって新たなウイルスを排出する可能性がある「ブタ」に感染し、「ブタ」から「ヒト」に感染することでパンデミックが発生する可能性も考えられる。
 従って、今回発表された論文内容は、将来的に、「新型インフルエンザウイルス」の発生を低減することに繋がるものと期待される。
鳥インフルエンザAウイルス(H5N1、H5N6、H6N1、H7N4、H7N9、H9N2、およびH10N8)による感染が「ヒト」においても確認されており、そのうち、H7N9型とH5N1型は「ヒト」に対して高病原性を有し、季節性インフルエンザウイルスとは異なる株である。
 飛沫、エアロゾル、および直接的または間接的な接触によって伝播する人獣共通病原体として、無症候性または軽度から重度の疾患・死亡まで、幅広い症状を伴う呼吸器疾患を引き起こす。
 感染経路は気道経由、ウイルスとの直接接触、または感染した家禽の分泌物や排泄物との密接な接触によるものと推測されている。H7N9鳥インフルエンザウイルス疾患を制御するには、養鶏場の市場、患者が使用する物品、それらの周辺環境の衛生管理が重要とされている。
 大幸薬品では、同研究結果の活用も踏まえ、さらなる研究により家庭薬と感染管理による衛生対策で、顧客の健康への寄与を通じて、社会に貢献する。

タイトルとURLをコピーしました