「SOMPOスマイル・エイジングプログラム」で高齢者の脳と身体の健康維持・認知機能低下を予防 SOMPOケア

 SOMPOケア(本社:東京都)は、高齢者の生活習慣改善を通じて認知機能低下を予防するオンラインプログラム「SOMPOスマイル・エイジングプログラム」を、同社が運営するサービス付き高齢者向け住宅に順次導入を開始しました。サービス付き高齢者向け住宅利用者へ、「予防への支援」という新しい付加価値を提供していく。
 同プログラムは、世界で初めて認知機能低下抑制効果を実証した高齢者の生活習慣への介入研究「FING ER研究」をベースとし、研究を率いたキビペルト教授およびFBHIが公認する「FINGER研究の全国規模の社会実装プログラム」である。
 FINGER研究とは、2009年から2011年にかけてフィンランドで行われた「高齢者の生活習慣への介入による認知機能障害予防の研究」。1260 名の高齢者を対象に、食事指導・運動指導・認知トレーニング・生活スタイル指導の4つの介入を同時に実施すれば、軽度の認知機能障害進行抑制が可能となることを世界で初めて証明した。同プログラムは、認知症でない健常な人からMCI(軽度認知障害)と診断された人、認知症の人を対象とする。
 FBHIは、健康的な脳の老化を促進し、革新的な多因子介入臨床研究を通じて認知機能障害と認知症を予防し、研究結果をより迅速に各個人に合わせた介入と治療に反映できるようにするため、カロリンスカ研究所のミーア・キビペルト教授とマリス・ハートマニス教授によってスウェーデンのストックホルムに2019年に設立されたNPO法人である。
 SOMPOグループは 、介護事業・生活習慣病予防事業で培った知見・経験を活かし、国立長寿医療研究センターの監修のもとで、日本人の特性に合わせたプログラムを開発し、2020年7月より始動した。

同社ホームで「SOMPOスマイル・エイジングプログラム」を実施している様子(そんぽの家S木場公園)

 同プログラムの特徴でもある、「運動」「認知機能」「食事」「社会参加」の4つのコンテンツをトータルパッケージとして継続的に実施することで、利用者の身体機能・認知機能の低下を予防し、要介護度の悪化予防や健康寿命の延伸につなげていく。
 2018年に認知症のある方は500万人を超え、2025年には高齢者の約5人に1人、2060年には約3人に1人が認知症になるといわれている。認知症は誰もがなりうるもので、日本の大きな社会課題の一つとなっている。
 SOMPOグループは「認知症に備える・なってもその人らしく生きられる社会」をスローガンに掲げており、同社における専門的な認知症ケア、セミナー開催や認知症関連冊子の製作などの啓発活動、独自の認知症応援プロジェクトなど、認知症に関するさまざまなソリューションを提供している。
 同プログラムは、2020年の始動後、本格導入に向けた準備として、これまでに同社の利用者約300名を対象に先行実施してきた。その結果、身体機能や要介護度の維持、認知機能の維持・改善が期待できるなどの効果がみられたため、今回、同社が運営するサービス付き高齢者向け住宅へ、順次導入していくことを決定した。
 「SOMPOスマイル・エイジングプログラム」の特徴と先行実施に参加した利用者・職員の声は、次の通り。

① トータルパッケージ

 「運動」・「栄養指導」・「認知機能訓練」・「社会参加」の4つの要素を含んだプログラムを1度の配信で実施する。継続的な同プログラムの実施により、身体機能・認知機能へ働きかけ、活動や参加の幅を広げていくことを目指す。

【運   動】ストレッチや有酸素運動、筋力トレーニングなど、座ったままでも実施可能な運動を組み合わせて提供しており、脳と身体の両方に効果的なコンテンツで構成。

【認知機能】シナプソロジー(慣れない行動や動作を行うことで脳に刺激を与えることのできるコンテンツ)の導入。

【栄養指導】当社グループのSOMPOケアフーズ管理栄養士から、栄養や健康に関する知識をさまざまな角度からお伝えし、食事・栄養に対する意識の向上を図る。

【社会参加】オンラインならではの、遠く離れた事業所間でのコミュニケーションが可能。講師から参加者へ質問を投げかけるなど双方向で対話でき、参加者同士の交流の場としても活用する。

②「測定」「評価」「実施」のサイクル

 年に2回、身体機能と認知機能の数値を測定します。特に認知機能の測定に関しては、科学的根拠に基づいた新たな評価指標「脳体力トレーナーCogEvo」を使用しており、測定結果を可視化する。さらに、それらをもとに今後起こりうる影響を事前に把握し、参加者の身体機能・認知機能の維持や改善に役立てていく。

【先行実施に参加した利用者・職員の声】

・運動は大変だが、こんなに動いたのは久しぶりで気持ち良い。(利用者)

・マッサージなどで体調を整えていたが、同プログラムの方が体調に良い変化があった。(利用者)

・日々の歩数や食事品目を意識するようになった。(利用者)

・起き上がりが楽になり、高いところにある物も背伸びをして取れるようになった。(利用者)

・肩の可動域に制限がある方が、同プログラムを受けた後は明らかに動きが良くなっている。(同社職員)

・同プログラムに参加した利用者の歩行が安定してきたと感じる。(同社職員)

 サービス付き高齢者向け住宅には、まだ介護を必要としていない元気な人から要介護認定を受けた人まで、さまざまな状態の人が入居しており、その利用者の多くが、健康への関心が高く、身体機能と認知機能の維持・向上に対するニーズを持っている。
 SOMPOケアのサービス付き高齢者向け住宅への同プログラム導入により、利用者へ「予防への支援」という新しい付加価値を提供する。同プログラムは、将来的には外部の企業・自治体・団体などとさらなる連携を図りながら、「認知症に備える・なってもその人らしく生きられる社会」の実現に貢献していく。

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