イミフィンジ 胆道がん・肝がん治療薬で承認取得 アストラゼネカ

 アストラゼネカは、イミフィンジについて、「治癒切除不能な胆道癌」および「切除不能な肝細胞癌」を適応症に、昨年12月23日付けで厚労省より承認されたことを明らかにした。
 また、イジュドについても、同日、イミフィンジとの併用療法が、「切除不能な肝細胞癌」および「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」を適応症に承認された。
 胆道がん(BTC)におけるイミフィンジイミフィンジと化学療法の併用療法が承認されたことで、これまで10 年以上にわたり限られた治療法しかなかった治癒切除不能なBTCに対して初めて免疫治療薬による治療が受けられるようになる。
 今回の承認は、The New England Journal of Medicine Evidence 誌に掲載されたP3相TOPAZ-1試験の中間解析に基づくもの。BTC は、胆管および胆囊に発症する希少かつ悪性度が高いがんである。2021年、日本では約2万3300人がBTCと診断され、女性におけるがん関連死の第6位、男性にでは第7 位であった。
 全病期のBTC患者の5 年生存率は約19%~31%となっているが、進行BTC 患者においては2.7%~5.6%と、予後は不良である。
肝細胞がん(HCC)におけるイミフィンジとイジュド切除不能な肝細胞がんに対してイミフィンジとイジュドの併用療法の承認により、2剤の免疫治療薬による治療を受けられるようになる。今回の承認は The New England Journal of Medicine Evidence誌に掲載されたP3相HIMALAYA試験の結果に基づくものである。
 なお、同試験は同じく HCCに対するイミフィンジ単剤療法の承認根拠にもなっている。日本においてHCCは、がん死因の第5位であり、世界では6番目に多く診断されるがんである。HCCは、肝がんの最も一般的な型であり、その80%はアジア太平洋地域で発症している。日本では、毎年約4万5000人がHCCと診断され、約3万2000人が死亡している。
 切除不能な進行・再発 NSCLCに対するイミフィンジ、イジュドおよび白金製剤を含む化学療法との併用療法に対する今回の承認は、Journal of Clinical Oncology 誌に掲載されたP3相POSEIDON 試験の結果に基づくもの。
 日本において、肺がんは最も多く、2020年には13万8000人以上の患者が診断を受けている。また、日本における転移性NSCLC の予後は特に不良で、診断後、無治療の場合の3年生存率は20%未満となっている。

◆大津智子アストラゼネカの執行役員研究開発本部長のコメント
 日本をはじめとするアジア諸国では、他の地域と比較して肝がんおよび胆道がんと診断される患者さんの割合が高い。また、肺がんに関しては、他国よりも日本の発症率が低いにもかかわらず、依然としてがんによる死因の1位となっている。
 今回のイミフィンジとイジュドの承認により、予後の悪い3つのがん種に対して有意な生存期間の延長効果を示した免疫チェックポイント阻害剤による治療を日本の患者さんに新たな選択肢として提供できることを大変嬉しく思う。

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