田辺三菱製薬は23日、ALS治療薬エダラボンについて、同日、経口懸濁剤(ラジカット内用懸濁液)の国内製造販売承認を取得したと発表した。適応症は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)。
「ラジカット内用懸濁液」は、ALS治療薬であるエダラボン点滴静注製剤(日本製品名:「ラジカット注30mg」および「ラジカット点滴静注バッグ30mg」)と同一有効成分を含む経口懸濁剤で、5mlを1日に1回、経口投与される。
エダラボンは、田辺三菱製薬が創製したフリーラジカル消去剤で、脳梗塞急性期の治療薬として2001年4月に厚生労働省から承認され、国内ではラジカットの製品名で販売している。
ALSの適応症については、エダラボン点滴静注製剤が2015年6月に日本、同年12月に韓国、2017年5月に米国、2018年10月にカナダ、2019年1月にスイスなど、現在8か国で承認されている。
ALSを適応症とするエダラボン経口懸濁剤は2022年5月に米国、同年11月にカナダで承認されている。現在、日本におけるエダラボンの投与経路は点滴静注に限られている。田辺三菱製薬グループは、注射による痛みや投与のための通院など、ALS患者の負担を軽減するため、経口懸濁剤を新たなALS治療の選択肢として提供できるよう開発を進めてきた。
2022年5月12日に同じエダラボン経口懸濁剤(米国製品名:RADICAVA ORS)が承認された米国においては、これまでの注射による負担軽減や、経口・経管投与もできるという利点が高く評価されている。
田辺三菱製薬グループは、ALS患者の負担軽減を実現したエダラボン経口懸濁剤を新たな治療選択肢として展開していく。