ブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)は22日、第64回米国血液学会(ASH)年次総会において、標的および分子的アプローチによる多発性骨髄腫のポートフォリオについて初公表となる結果と新しい研究を発表した。
これらの発表は、多発性骨髄腫患者の転帰に変革をもたらすための治療水準向上に向けた同社の取り組みを明らかにしたもの。
ASHでは、再発または難治性多発性骨髄腫の治療の進展について、二重特異性T細胞エンゲージャー(TCE)、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法および新規CELMoDTM剤における科学的進歩に焦点を当てた次の結果が公表された。
二重特異性 TCE である Alnuctamab について、6 カ月目以降は4週間間隔で皮下投与した多施設P1試験の初の結果を発表し、点滴静注と比較して炎症性毒性が低減し、持続的な抗腫瘍活性および深い奏効が得られたことが示された(口頭発表:抄録番号#162)。
GPRC5D CAR T(BMS-986393/CC-95266)P1試験の結果を初めて公開し、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とするCAR T 細胞療法による治療歴を有する患者を含め、すべての用量レベルで深く持続的な奏効および管理可能な安全性プロファイルが示された(口頭発表:抄録番号#364)。
アベクマ(一般名:イデカブタゲン ビクルユーセル)を評価したP2相 KarMMa-2試験のコホート 2aおよび2cの結果を初めて公開し、早期再発または幹細胞移植で十分な奏効が得られなかった多発性骨髄腫患者における持続的な奏効および予測可能な安全性が示された(口頭発表:#361、ポスター発表:#3314)。
新規経口CELMoD剤Mezigdomideとデキサメタゾン(DEX)の併用療法を評価したP1/2試験用量拡大コホートの初の結果を発表し、複数の前治療に高い難治性を示す患者における持続的な有効性および管理可能な安全性が示された(口頭発表:抄録番号#568)。
新規経口CELMoD剤IberdomideとDEXの併用療法を評価したP1/2相試験について、BCMA標的療法の治療歴を有する患者コホートの新しい結果を発表し、前治療の抗 BCMA 療法の種類にかかわらず、臨床的に意義のある有効性および安全性が示された(ポスター発表:#1918)。
◆サミット・ヒラワットBMSグローバル医薬品開発担当エグゼクティブ・バイスプレジデント兼チーフ・メディカル・オフィサー(M.D.)のコメント
今年のASHでは、多発性骨髄腫に対する様々なアプローチや標的を活用する当社の戦略を反映し、多発性骨髄腫の多様なポートフォリオにおける次なる進歩の波を強調している。
多発性骨髄腫のコミュニティとの継続的なパートナーシップを通じて、患者さんひとり一人に合わせた治療選択肢を提供し、実現し得る最良の治療成果をもたらすことができるようにその実現に向けて取り組んでいる。
◆ブライアン・デュリー国際骨髄腫財団理事長(M.D.)のコメント
多発性骨髄腫は依然として非常に困難な疾患であり、様々な人口動態、健康水準および併存疾患を持つ患者さんに影響を及ぼしている。
科学的進歩によって生存期間は大きく改善したものの、未だに再発を起こしやすく、患者さんのQOLに大きな影響を与える負担の大きい疾患である。
ASH におけるこれらの有望なデータは重要な進展を示しており、多様な標的やプラットフォームにおける次なる進歩の可能性によって、患者さんひとり一人のニーズに合わせることが可能な多くの治療選択肢がもたらされるものと期待している。