世界的な投資会社であるKKRと武州製薬は20日、BPEA EQTが保有する武州製薬の全株式をKKRが取得すると発表した。
同株式譲渡完了後、KKRは、武州製薬のさらなる成長を実現し、グローバルな医薬品受託製造(CDMO)のリーディングカンパニーとしての地位構築を目指す。加えて、武州製薬の経営陣とともに、注射剤等の新たな成長分野への進出、さらなる生産能力の増強や品質管理に向けた投資等、オーガニック成長およびM&A等による成長の機会を模索し、患者に対してより広範なヘルスケアソリューションを提供する。
同株式譲渡は、KKRのアジア向け投資ファンドによって賄われ、規制当局の承認およびその他の一般的なクロージング条件の充足を前提に、2023年第1四半期までに完了する見込みである。取引の詳細については開示していない。
武州製薬は、世界第3位の医薬品市場である日本において1998年に設立されたCDMO専業企業である。固形製剤や注射剤等の医薬品および治験薬の分野において高品質のヘルスケア製品を生産・加工して患者様に提供している。
また、医薬品の検査、包装、流通分野においても、高度な品質管理プロセスやサプライチェーン・マネジメント支援を提供している。
武州製薬は、世界各国でGMP(Good Manufacturing Practice)認証を取得しており、日本および中国を含むアジア諸国を中心に世界各国に向けて製品を製造している。
一方、KKRは、オルタナティブ・アセット、キャピタル・マーケッツ、保険ソリューションを提供している。長期的かつ規律ある投資アプローチを採用し、世界トップクラスの人材を投じてポートフォリオ企業やコミュニティの成長を支援し魅力的な投資リターン創出を目指している。
KKRは、プライベートエクイティ、クレジット、実物資産に投資する投資ファンドのスポンサーとなっており、ヘッジファンドを管理する戦略的パートナーを有している。
◆平野博文KKRアジアプライベートエクイティ共同代表兼KKRジャパン代表取締役社長のコメント
今回、KKRを医薬品受託製造のリーディングカンパニーである武州製薬のパートナーとして選んでいただいたことを大変嬉しく思う。
世界のヘルスケア産業は様々な課題に直面しており、継続的に戦略的で信頼性の高いソリューションを提供していくことが求められている。
今後は、KKRが持つヘルスケア、テクノロジー、サプライチェーンソリューション分野における知見と経験を活用して技術革新を進め、武州製薬のさらなる成長が実現できるよう協業していく。
◆髙野忠雄武州製薬取締役社長兼COOのコメント
国内外のお客様に高品質の医薬品とソリューションを提供するという当社の使命を推進していくにあたり、新たな株主としてKKRを迎えることができることを大変喜ばしく思う。
KKRは、製薬業界に関する知見とグローバル市場でのヘルスケア企業に対する支援実績、そして日本において多くの投資実績を積み上げている。
これまでのBPEA EQTのパートナーシップに感謝するとともに、今後はKKRチームと協業してさらなる成長を目指したい。