地域住民の「心房細動」早期発見を目指して
オムロン ヘルスケアは1日、同社の心電計付き上腕式血圧計を用いた受診勧奨モデルが、大分県薬剤師会と佐伯市薬剤師会連携のもと、「来局者に向けた家庭用心電計を用いた健康啓発事業」として大分県佐伯市で11月より開始していることを明らかにした。2023年3月までに、佐伯市薬剤師会に加盟する薬局18店舗での展開を予定している。
受診勧奨モデルは、心原性脳梗塞の要因といわれる心房細動の早期発見と治療介入を目的としたもので、オムロンヘルスケアとスマートヘルスケア協会が共同で進めている取り組みだ。
地域住民が処方箋調剤などの目的で来局した際に、本人の希望に応じて薬局に設置しているオムロンの心電計付き上腕式血圧計で心電図記録を行い、心房細動の可能性を確認できる。
年齢や既往歴などから心房細動の可能性が高いと思われる場合は、薬局から心電図記録を案内する。心電図データから心房細動の可能性を確認した場合は、薬剤師が受診勧奨を行い本人同意の元、トレーシングレポートを作成する。また、疾病リスクの理解促進を狙いとした啓発活動も行い。
大分県佐伯市では、健康で人生を満喫できる街を目指して、特定健診の受診率および特定保健指導の実施率向上に取り組んでいる。佐伯市の令和元年度の特定保健指導実施率は大分県内で1位となるなど継続的な取り組みが行われている。
一方で、佐伯市の脳血管疾患の有病率および国保被保険者のレセプト件数は県平均を上回っており、さらなる地域住民の健康増進のためには、今後、取り組みを強化する対象疾患である。
オムロンヘルスケアは、「脳血管疾患の発症ゼロ（ゼロイベント）」を循環器事業のビジョンとして掲げて、家庭で心電図を記録できるデバイスの開発や、心電図データから心房細動の可能性を解析するサービス展開に挑戦している。
さらに、心房細動の早期発見を目的とした同事業のようなビジネスモデルの実装を進めることで、グローバルでのゼロイベント実現に取り組んでいく。
