群馬大学医学部附属病院の仮想統合で情報管理システムを全面刷新 ユニアデックス

高度化するサイバー攻撃への備えについても検討

システム概要図

 ユニアデックスは18日、群馬大学医学部附属病院の情報管理システムの構築を行い、本年9月に新システムへの切り替えが完了し、運用を開始したと発表した。
 今回の更改では、「病院システムを止めない」ために仮想化技術を用いてシステムの可用性を高め、障害発生時の稼働継続の安定化を実現。さらに、運用コストの最適化とともに、サイバーセキュリティー対策も強化したシステム設計を行った。
 群馬大学医学部附属病院は、北関東有数の基幹病院として地域の医療連携をリードしながら、多様化する医療ニーズへの対応に尽力している。高度化するサイバー攻撃への備えについても検討された。
 前回、2015年のシステム更改では、電子カルテの応答タイムの短縮のためにオールフラッシュ化を実行するなど、他の医療機関の先駆けとなる取り組みを推進している。
 今回は、7年前の更改以降の課題であった落雷などによる停電時のサーバー障害への迅速な対応やシステム復旧時間の短縮を行うことで、安定稼働の向上を目指すとともに、高度化するサイバー攻撃への備えについても検討した。
 新システムでは、物理サーバーで運用されていたほぼすべての病院内システムをVMwareで仮想統合し、vSAN(ストレージ仮想化ソフトウエア)を用いたHCIを採用して高い安定稼働と運用効率を実現した。
新システムの特徴は、次のの通り。

・電子カルテシステムのストレージは、超高速フラッシュのPure Storageを採用し、従来システムと比較してレスポンスが最大13倍向上し、データ移行速度を大幅に高速化

・サイバーセキュリティー対策は、ランサムウエア攻撃時にも復旧できるストレージの機能を利用し、障害時にも迅速に電子カルテシステムの業務復旧が可能に

・サーバー、ストレージに加え、ネットワークの仮想化技術も活用し、物理サーバーの削減などによる省電力効果やハードウエアを二重化することで障害発生時なども継続稼動が可能に

・仮想化によりハードウエア機器構成の複雑化を避けることで、調達コストの削減も実現

 ユニアデックスでは、今回のシステム更改でハードウエアの構築・運用ベンダーとして電子カルテサーバー、部門システム仮想基盤、端末、周辺機器などのハードウエア保守・運用常駐を担当するとともに、約2000台の端末の手配や設定も実施した。
 今後も同社は、ICTインフラのスペシャリストとして、医療機関をはじめとしたさまざまな業界の情報システム最適化を強力に支援していく。

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