日本メジフィジックスは25日、セラノスティクスの診断用で、がんのイメージング剤として開発中の「NMK89(開発コード)」について、米国におけるP1試験を実施するための臨床試験実施申請(IND申請)がFDAに受理された、臨床試験開始が可能になったと発表した。
NMK89は、抗MUC5ACヒト化抗体に診断用放射性核種のジルコニウム-89を標識したRI-複合体で、MAC5AC発現がんのイメージング剤として同社と住友ファーマで非臨床研究を進めてきたもの。
MUC5ACは、膵がんを始め、肝臓がん、大腸がん、胃がん、肺がん等で高発現することが報告されており、非臨床試験においてNMK89がMUC5ACを発現した細胞株を移植した腫瘍に集積することが確認されている。
日本メジフィジックスは、核医学におけるセラノスティクス(治療と診断の融合)の実現を目指して、日本医療研究開発機構(AMED)に採択された研究課題を推進しており、その研究課題の一つとしてNMK89の開発を行っている。
今後、同社は米国においてNMK89のP1試験を開始する。また、世界で注目されているセラノスティクスの早期実現に向けて、得られたNMK89のP1試験情報を最大限に活用した治療薬の速やかな臨床試験開始を目指す。