オプジーボ 根治切除後悪性黒色腫のP3試験で再発・死亡リスク58%低下 小野薬品

 小野薬品は21日、オプジーボについて、根治切除後のステージⅡB/Cの悪性黒色腫患者において、プラセボと比較して再発・死亡リスクを58%低下させたCheckMate-76K試験のデータを発表した。提携するブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が19日に公表したもの。
 同試験では、根治切除後のステージⅡB/Cの悪性黒色腫患者において、オプジーボによる術後補助療法が、プラセボと比較して、無再発生存期間(RFS)で統計学的に有意かつ臨床的に意義のあるベネフィットを示した。
 予め計画された中間解析では、オプジーボは、プラセボと比較して、再発・死亡リスクを58%低下させ(ハザード比[HR]、0.42;95% 信頼区間 [CI] 、0.30~0.59;p < 0.0001)、本試験の主要評価項目であるRFSを達成した。
時点の無再発生存率は、オプジーボが89%(95% CI:86~92)で、プラセボは79%(95% CI:74~84)であった。
 このRFSに対するベネフィットは、T分類や病期など、本試験で事前に規定したサブグループ全体にわたって認められた。これら結果は、スコットランドのエジンバラで開催された2022年Society for Melanoma Research(SMR)年次総会で、19日に発表された。
 オプジーボ投与患者におけるステージ別の12ヵ月時点の無再発生存率は、ステージⅡBでは93%(プラセボは84%)、ステージⅡCでは84%(プラセボは72%)であった。
 オプジーボの安全性プロファイルはこれまでに報告されている試験のものと一貫しており、本解析時点で新たな安全性シグナルは認められなかった。グレード3または4の治療に関連する有害事象(TRAE)の発現率は、オプジーボ群で10%、プラセボ群で2%であった。 TRAE関連の投与中止率は、オプジーボ群で15%、プラセボ群で3%であった。
 CheckMate -76K 試験は、がんの早期ステージにおけるオプジーボ単剤療法およびオプジーボを含む併用療法によるブリストル マイヤーズ スクイブの開発プログラムの一つで、現在、このプログラムは7 つのがん腫に及んでいる。

◆オーストラリア・メラノーマ研究所(MIA)共同メディカルディレクターのGeorgina Long氏(シドニー大学教授、AO、MD、PhD)のコメント
 術後5年以内に、ステージⅡBの患者さんの3分の1、ステージⅡCの患者さんの半数で再発が見られる。悪性黒色腫の治療の場合には、引き続きこのリスクを軽減するよう取り組む必要がある。
 CheckMate-76K試験のデータは、ステージⅡB/Cの悪性黒色腫患者さんに対するニボルマブによる術後補助療法が、無再発生存期間で有意なベネフィットをもたらし、この患者集団にとって重要な治療選択肢となり得ることを示している。

◆Gina Fusaro BMS悪性黒色腫部門開発プログラム責任者(PhD)のコメント
 これらのデータは、転移性のものから早期ステージにおけるがんまで、悪性黒色腫の治療に対するオプジーボの臨床的ベネフィットを裏付けるエビデンスに加わるものである。
 今後も、我々はがんとともに生きる人々の予後を改善するのに役立つ薬剤を開発するため、科学の進歩を追求していく。

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