住友ファーマは29日、北里研究所との共同研究を通じて創出し、住友ファーマが米国でカルバペネム耐性菌感染症治療薬として開発中(P1)のKSP-1007(開発コード)とメロペンの配合剤について、米国FDAから適格感染症治療製品(QIDP)および Fast Track 指定を受けたと発表した。 対象疾患は、細菌性の複雑性尿路感染症、複雑性腹腔内感染症、院内肺炎/人工呼吸器。
KSP-1007 は、産学官の連携事業である日本医療研究開発機構(AMED)の「医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)」に係る研究開発課題において実施している共同研究で見出された。
カルバペネム系抗菌薬を分解する細菌由来の酵素である β-ラクタマーゼを広域かつ強力に阻害する作用を有しており、世界的に汎用されているメロペンとの配合剤にすることで、カルバペネム耐性菌による感染症に対しても有効な治療選択肢となることが期待されている。
抗生物質インセンティブ法(Generating Antibiotic Incentives Act:GAIN 法)に基づく QIDP 指定を受けたことにより、同剤の開発プログラムは、米国開発において優先審査指定を受ける資格を有し、最終的に FDAの承認を受けた場合には、米国薬事規制上の独占期間(データ保護期間)が 5 年間延長される。
また、Fast Track 指定のもと、FDAとのより綿密な連携や承認申請における逐次審査が可能となる。
住友ファーマは、まずは複雑性尿路感染症、複雑性腹腔内感染症を予定適応症として同剤の開発を進める予定。
なお、北里研究所と住友ファーマとの共同研究は、2017 年 10 月から 10 年間の予定で実施している。