住友ファーマは16日、2型糖尿病治療薬「メトグルコ」(一般名:メトホルミン塩酸塩)について、同日付けで不妊治療の適応追加承認を取得したと発表した。
対象は、「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)における排卵誘発」および「多嚢胞性卵巣症候群の生殖補助医療における調節卵巣刺激」
今回の適応追加承認については、2021 年 10 月に開催された「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で医療上の必要性ありと判断され、厚労省より同社に対して開発要請がなされた。
その後、2022 年 1 月に開催された「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で公知申請への該当性が認められた。さらに、2022年2月に開催された薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会で一変承認申請に係る事前評価が行われ、公知申請を行っても差し支えないと判断されたため、同社が2022年3月に公知申請を行ったもの。
PCOSは、生殖年齢女性の5~8%に発症するとされている。PCOSは、WHOの性機能障害のグループIIに分類される疾患であり、その排卵障害は不妊症の原因の一つだ。
メトホルミン塩酸塩は、国際的なガイドラインや国内のガイドラインで、PCOS 患者に対する一般不妊治療における排卵誘発の際、他の排卵誘発薬との併用投与が推奨されている。また、同じく国際的なガイドラインや国内ガイドラインで、PCOS患者での生殖補助医療における調節卵巣刺激の際、他の卵巣刺激薬との併用投与が推奨されている。
住友ファーマでは、今回の承認取得により、PCOS患者の不妊治療に貢献できるものと期待している。