来年1月からの電子処方箋導入に向けての対応状況を報告 大阪府薬乾会長

乾氏

 来年1月からの電子処方箋導入に向けて必須となるオンライン資格認定システムに接続する「患者の顔認証付きカードリーダー」の8月14日現在の大阪府下薬局申し込み数は3723軒(府下4430薬局の84.2%)で、システム導入完了薬局が2256軒(同50.9%)であることが、14日開催された大阪府薬剤師会定例記者会見で公表された。
 乾英夫会長は、「まだ、残り15.8%の薬局で患者の顔認証付きカードリーダーの申し込みができていない。今月中に全薬局で申し込んで欲しい」と呼びかけた。
 また、8月5日に大阪府からの依頼を受けて府下の薬局が実施している「若年軽症者への医療用抗原定性検査キット無償配布」は、9月27日で終了を予定していることも発表された。
 来年4月より義務化されるオンライン資格確認システム導入のための補助金(上限42万9000円)公布条件は「2023年3月31日までに導入完了」、補助金申請は「2023年6月30日まで」と定められている。
 こうした中、乾氏は、オンライン資格確認システム導入で取り組むべきチェックポイントとして、「オンライン資格確認医療機関等ポータルサイトへの登録」、「患者の顔認証付きカードリーダーの申し込み」、「レセコンベンダとの導入時期についての決定」、「ポータルサイトからのオンライン資格確認利用申請の実施」、「運用開始日のポータルサイトへの入力」、「オンライン資格確認の運用開始」、「補助金の申請」の7項目を列挙。
 「この中で、一つ以上チェックできない項目のある場合は、早急にレセコンべンダと協議の上、対応して頂きたい」と要望した。
 また、現在の大阪府下のオンライン資格確認導入完了薬局率50.9%については、「全国平均並み」との見解を示した。
 乾氏は、電子処方箋導入において必要となるHPKI(薬剤師資格証)にも言及。HPKIは、医療ICTの世界で電子的な印鑑として利用できる「電子署名(Digital Signature)」と通行証の役割をする「認証(Authentication)」に利用可能な証明書で、「日薬会員は5年間で1万9800円、非会員は2万6400円必要となる」と説明した。
 大阪府薬では、来年1月の電子処方箋導入に向けて薬局DX(デジタルトランスフォーメーション)委員会を設立し、会員薬局への周知徹底を図っている。
 一方、大阪府の依頼を受け大阪府薬が手上げ方式で募った府下の薬局で実施されている「若年軽症者への医療用抗原定性検査キット無償配布」は、現在、1764薬局で実施されている。
 薬局での同キット無償配布は、新型コロナ第7波による大規模な感染者増大で、発熱外来を実施する医療機関の逼迫崩壊防止を目的としたもの。
 9月に入って感染が治まり、新規感染者が1万人を切っている状況下を鑑み、「当該薬局での軽症者への医療用抗原定性検査キット無償配布は、9月27日で終了する予定にある」(乾氏)
 道明雅代副会長は、「これまで多くの薬局が協力し、府民からも色々と薬局への問い合わせがあったので、引き続き直接受け取りたい希望者には薬局を使ってもらって相談も受ける」主旨の文書を大阪府へ提出していることを明かした。
 また、9月16日より一般流通開始される新型コロナ傾向治療薬「ラゲブリオ」にも触れ、「9月になってラゲブリオの処方箋は減っているが、これまでの配布対応薬局以外のより多くの薬局で対応できることは望ましい」との見解を示した。
 薬剤師が、感染症の予防接種の担い手になることに備えた「薬剤師のための予防接種に係る研修会」の終了証については、6月に60名、8月に57名に公布された。9月17日に近畿大学で実施される同研修会にも35名参加予定で、今年度中に累積で210名の終了証授与薬剤師が誕生する見込みにある。
 乾氏は、「新型コロナのような有事の時に行政から要請があれば、薬剤師が対応できる体制を備えている。最終的には、大阪府下で550名の終了証交付薬剤師を養成したい」と述べた。

左から尾島氏、乾氏、道明氏
前衆議院議員とかしきなおみ君を育てる会 で御礼あいさつするとかしき氏


 尾島博司大阪府薬剤師連盟会長は、12日に大阪市内で開催された「前衆議院議員とかしきなおみ君を育てる会」について、「350名が出席し、盛況であった。とかしき氏からは、『多くの人に支えられているので、もう一度復帰したい』との強い決意表明があった」と報告。
 さらに、「青山繁晴参議院議員は、講演の中で、2年後くらいに衆議院が解散し選挙があると予測しておられた。とかしき氏の再選に向けて全力投球したい」と訴えかけた。
 尾島氏は、12日に開かれた大阪府・市の与党である大阪維新の会の「三師会合同政策懇談会」で、予算要望したことも強調した。
 要望内容は、「薬局に対する各種新型コロナ感染症に係る検査や、自宅・宿泊療養患者への適切な医薬品提供のため、新型コロナ感染症対応地方創生臨時交付金による支援の確実な実施」、「新型コロナ感染症対応地方創生臨時交付金を積み増しし、これに係る支援のための財源の確保」の2点。

大阪維新の会の「三師会合同政策懇談会」 で予算要望する尾島氏


 

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