MSDは24日、キイトルーダについて、腎細胞がんの術後補助療法に対する承認を取得したと発表した。
腎細胞がんは腎がんのうち最も多くみられる種類のがんで、腎がんの約9割を占めている。国内の腎がん患者数は年々増加しており、2020年には2万5000人以上が新たに診断され、8000人以上が死亡したと推定されている。
今回の承認は、腎摘除術又は腎部分切除術後の再発リスクが高い4淡明細胞型腎細胞癌患者994例(日本人59例を含む)を対象とし、術後補助療法としてキイトルーダを評価する国際共同無作為化二重盲検プラセボ対照P3試験(KEYNOTE-564試験)の結果に基づくもの。
同試験において、キイトルーダは、主要評価項目である無病生存期間(DFS:Disease Free Survival)をプラセボと比較して統計学的に有意に改善した(HR=0.68 [95% CI, 0.53-0.87]; p=0.0010)。
キイトルーダ群における副作用は386/488例(79.1%)に認められた。主な副作用(発現率10%以上)は、疲労99例(20.3%)、そう痒症91例(18.6%)、甲状腺機能低下症86例(17.6%)、下痢77例(15.8%)、発疹73例(15.0%)、甲状腺機能亢進症50例(10.2%)であった。
重篤な副作用は59例(12.1%)に認められ、発現率1%以上の重篤な副作用は副腎機能不全6例(1.2%)、大腸炎、糖尿病性ケトアシドーシス各5例(1.0%)であった。副作用による投与中止は86例(17.6%)に認められ、発現率1%以上の投与中止に至った副作用はアラニンアミノトランスフェラーゼ増加8例(1.6%)、副腎機能不全、大腸炎各5例(1.0%)であった。同試験において副作用による死亡は認められなかった。