カスタマーサポート表彰制度で製薬企業初の最優秀賞受賞 ブリストル・マイヤーズ スクイブ

 ブリストル・マイヤーズ スクイブは14日、日本能率協会グループの公益社団法人企業情報化協会が主催するカスタマーサポート表彰制度で、2022年度の最優秀賞を受賞したと発表した。
 同社の受賞は、昨年の優秀賞に続く2年連続で、最優秀賞を受賞したのは製薬企業では初めて。カスタマーサポート表彰制度は、「顧客に対するサポート・サービスに関して創意工夫や先進的試みを行い、顧客満足度の向上や課題解決を図ることによって経営に優れた貢献をし、カスタマーサポートの推進・発展に寄与したと認めうる企業・機関・団体」を表彰する制度である。
 今回最優秀賞を受賞したのは、CAR T細胞療法(キメラ抗原受容体遺伝子改変自家T細胞療法)の安全かつ確実な提供に向けたシステム構築プログラム。製造施設や医療機関など国内外の関係者と協力して、最適なサプライチェーンのデザインや情報共有プラットフォームの構築に取り組んだ。
 CAR T細胞療法は、一般的な医療用医薬品とは異なり、患者個人の細胞を採取加工し、再度投与する新たな療法である。認証を受けた国内の医療機関で患者から採取した白血球を海外の製造施設に輸送して遺伝子を加工培養し、再び国内の医療機関に低温輸送し患者に投与するという複雑なサプライチェーンを組み立てることが求められる。
 加えて、細胞の凍結・冷蔵条件や医療機関への配送スケジュールといった患者情報の一元管理や治療プロセスのリアルタイムの可視化を可能とするITプラットフォームの構築など、患者ごとにカスタマイズされた細胞療法特有の要件達成が不可欠だ。
 ブリストル・マイヤーズ スクイブのCAR T統括部は、製造施設や医療機関など国内外の関係者と連携し、仮説と検証を繰り返しながらサプライチェーンや医療従事者向けのホットラインなど情報共有プラットフォームの構築を進めた。
 その過程において継続的に医療機関など関係者の声を収集、分析し、そこで浮き彫りになった課題に対する解決策の立案と実行にチーム一丸となって取り組んだ。
 その結果、強固なサプライチェーンと高い利便性を誇る情報共有プラットフォームを迅速に構築し、発売直後から新たなCAR T細胞療法を安全かつ確実に患者に提供する体制整備に成功。
 その後もタスクフォースを結成し、製造や輸送プロセスなどのさらなる改善に取り組むことで、短納期での製造など掲げていた指標をすべて大きくクリアした。
 同プログラムが、主催の企業情報化協会から「最先端の医療サービスである再生医療を巡る取り組みとしてはもちろん、医薬品をカスタマイズすることによる製品のサービス化という観点からも興味深い取り組みだ。ヒトの命にもかかわる製品をサービス化し、国境を越えたホットラインのきめ細かいサポートにより事業を成功のうちにスタートさせると共に、これを継続的にブラッシュアップしている」と高く評価され、今回の受賞に至った。
 現在は、今後の対象疾患領域の拡大や投与患者数の増大に備えた安定供給体制の確立、ならびに納期の短縮や例外時の対応手順の構築などさらなる顧客体験向上のための改善を続けている。
 ブリストル マイヤーズ スクイブは、「心のこもったイノベーション」にコミットした業界のゲームチェンジャーとして、革新的な医薬品の開発のみでなく、医療従事者や患者向けに製品の適正使用推進に向けたサポートの拡充を進めている。
 同社は今後も全社的に新たな顧客体験の創造に取り組み、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンの実現を目指す。

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