日本での年間売上1位を狙いヘルスケアの未来に貢献 アストラゼネカ ステファン・ヴォックスストラム社長

ステファン・ヴォックスストラム 氏

 アストラゼネカ日本法人のステファン・ヴォックスストラム社長は17日、2021年通年業績記者発表会で会見し、「日本の年間売上高第1位を狙っている。量だけでなく質も重要で、ヘルスケアの未来に貢献していきたい」と訴求した。
 アストラゼネカの2021年1月〜12月の日本市場での売上高は4198億5800万円で、年間成長率12%、国内年間売上3位となった。ちなみに、2021年の日本の医療用医薬品市場は、10兆5990億3100万円。
アストラゼネカグローバルの2021年業績は、売上収益374億1700万ドル(対前年比41%増)。
 ヴォックスストラム社長は、日本の業績に寄与した製品として、タグリッソ(がん分子標的薬)、ロケルマ(抗カリウム血症)、ネキシウム(PPI阻害剤)などを列挙。日本で承認を得たカルケンス(リンパ性白血病・リンパ腫)についても「売上に貢献していきたい」と期待を寄せた。
 また、抗体薬の新型コロナ治療薬「AZD7442」にも言及し、「現在、規制当局と密に相談しながら申請準備している。今年、承認を取得したい」と強調した。 今後の日本市場については、「新薬創出加算が無くなり毎年薬価が切り下げられるなど、不確実性が高まっており予測が難しい」と指摘。その上で、「こうした中、アストラゼネカでは日本市場進出を非常に前向きにみている。確信的な新薬をサポートする薬価制度を期待している」と訴求した。
 アストラゼネカでは、AZD7442の他にもTEZEPELUMAB(重症喘息)など3年間に37件の上市(2022年10件、23年10件、24年17件)を予定している。
 期待の薬剤では、タグリッソは、「EGFRmの非小細胞肺がんの一次治療における新規患者への処方シェアNo1を堅持しており、2021年8月にEGFRmの術後補助療法におけるタグリッソの適応拡大を申請している」
 イミフィジンは、「ES-SCLC(進展型小細胞肺がん)の同剤による治療を開始した患者の割合は堅調に拡大し、50%以上を占めている」
 ファセンラは、「喘息のバイオ医薬品におけるシェア競争の激しい市場において、重症喘息に対するバイオ医薬品をリードし、好調な業績を示している」
 フォシーガは、「昨年、本邦初の‟慢性腎臓病”の適応を取得したナンバーワンSGLT2阻害剤で、現在進行中の左室駆出率が保たれた心不全を対象としたDELIVER試験もさらなる機会をもたらすと期待される」
 「パートナーシップ」で日本のヘルスケアの未来に貢献する試みについても説明し、「i2.jpは、参加社が200社を突破しており、ここでコラボレーションの機会を探っている」と明言。
 さらに、「i2.jp出会った一社がスギ薬局で、健康アプリ‟スギサポwalk”を活用したCOPDの潜在患者とその家族を対象とした疾患啓発を通じた行動変容の検証を実施している」と報告した。
 アストラゼネカ、ロンドンスクールオブエコノミクス(LSE)、世界経済フォーラムによる将来の危機に耐えうる保健システムを構築するためのグローバルなコラボレーションとしての「PPHSSR」にも言及した。
   

タイトルとURLをコピーしました