6月20日に「マススクリーニングが変える脊髄性筋萎縮症の未来」で都民講座開催 東京都医学総合研究所

 東京都医学総合研究所 は、6月20日午後3時~4時30分まで、一般向けの都民講座 「マススクリーニングが変える脊髄性筋萎縮症の未来」をハイブリッド形式(会場+オンライン)で開催する。
 定員は540名(都医学研講堂:40名、オンライン:500名)。事前申込が必要で、先着順、無料。
 当日は、講師に齋藤加代子東京女子医科大学教授、ならびに水野朋子東京医科歯科大学助教を迎え、同研究所の佐久間啓副参事研究員とともにディスカッションを展開する。
 齋藤氏水野氏の講演テーマと要旨、および都民講座への申し込み方法は次の通り。

【講演要旨】

◆齋藤加代子東京女子医科大学ゲノム診療科教授=「脊髄性筋萎縮症の治療の進歩:新生児スクリーニングが必要です」

脊髄性筋萎縮症(SMA)は脊髄の運動神経細胞の変性が進行する難病である。特に、Ⅰ型は呼吸器なしでは2歳までも生きることができない。国際共同治験の結果、次々に3種類の薬が有効と認められた。
 いずれも発病から早ければ早いほど効果が高く、発病前ではさらに効果が高く、発病を抑えることに成功した。新生児スクリーニング検査により発病前治療ができるようになった。
 米国では、新生児の95%がこの検査を受けて、治療されるようになった。だが、日本はまだ一部の自治体しか実施していない。
 我々は、東京都のわが国の赤ちゃん全員にこの新生児スクリーニングを受けて頂き、SMAの発病を抑えたいと願っている。

◆水野朋子東京医科歯科大学小児科助教=「SMAに対する新生児マススクリーニングの現状」

 脊髄性筋萎縮症(SMA)は、脊髄前角にある運動神経細胞の変性により、全身の筋肉が萎縮し、筋力低下、嚥下障害、呼吸障害などをきたす進行性の疾患である。SMN1遺伝子の欠失により発症する。
 従来治療法のない疾患であったが、最近3つの治療薬が開発された。治療薬を投与することで、運動機能が改善するが、症状が進んだ状態で投与しても効果は限定的である。
 そこで、症状が出ていない新生児期に、SMN1遺伝子の欠失を調べることで、SMAを早期発見し、治療を行う試みが始まっている。早期治療により歩行が可能となる例も報告されている。
 同講演では、SMAの新生児マススクリーニングの現状、展望、問題点などを話す。

【会場での聴講者】

往復はがき又はメールでお申し込む(1通につき2名まで)。
往復はがきは、住所、氏名(フリガナ)、電話番号、2名希望の場合は同伴者氏名及び「第1回都民講座」と記入の上申し込む。返信用はがき表面にも郵便番号・住所・氏名を必ず記入する。
 メールは、件名を「第1回都民講座申込」とし、氏名、電話番号及び2名希望の場合は同伴者氏名を記入の上、申込専用アドレス
(tomin@igakuken.or.jp)まで。

【オンライン視聴者】
ホームページ(https://www.igakuken.or.jp/public/tomin/2022/tomin02.html)の登録フォームで申し込む。

【締切】
締切は、6月13日(月曜日)(往復はがき:必着、メール:必着)

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