薬学部併設大学附属病院敷地内薬局開設で生じる実務実習の課題を提起 大阪府薬

乾氏

 大阪府薬剤師会は9日、定例記者会見を開催し、乾英夫会長は、薬学部を併設する大学の附属病院敷地内薬局開設について言及。当該大学学生の薬局実務実習において、「本来の医薬分業のあり方や地域包括ケアの仕組みをどう教育すれば良いかの課題が出てくる」と指摘し、「近畿2府4県の薬剤師会が連名で、病院・薬局実務実習近畿地区調整機構に問題提起した」と明かした。
 また、藤垣哲彦前大阪府薬会長の旭日小綬章受章を報告し、その栄誉を称えた。令和4年度調剤報酬改定については、「地域医療に貢献しているにも拘わらず算定要件を満たしていない薬局は、それを満たせるようにアシストをしていく」方針を強調した。
 尾島博司大阪府薬剤師連盟会長は、「4月25日~5月6日までの間、7月の参議院選挙に向けて神谷まさゆき日薬連盟組織内統一候補の支援の輪拡大を目指し、府内地域薬剤師連盟や薬局、大学、卸を訪問し、多数の有権者から好評を得た」と報告した。
 薬学部を併設する大学の附属病院敷地内薬局開設については、4月8日に開設を予定する大阪医科薬科大学に対して大阪府薬が「病院敷地内薬局開設反対」の要望書を提出した。近畿地区内には、薬学部を併設する大学附属病院は、大阪医科薬科大病院の他、京大病院、阪大病院、近大病院、兵庫医大病院、和歌山県立医大病院がある。
 乾会長は、「もし、これらの大学病院で敷地内薬局開設が計画された場合、当該大学の薬学生に対して、薬局実務実習において医薬分業の本来の意義、薬局の地域医療への貢献、医療機関と薬局の独立性担保の定義をどのように説明すれば良いかなどの問題が惹起する」と指摘。
 その上で、「近畿2府4県の薬剤師会が連名して、病院・薬局実務実習近畿地区調整機構でこうした問題を議論して貰うように要望した」

4月29日に 旭日小綬章を受章した藤垣氏

 4月29日の藤垣氏の旭日小綬章受章は、5期10年に渡って大阪府薬会長を務め、日薬副会長も歴任した功績等が認められたもの。乾氏は、「藤垣先生の栄誉は、大阪府薬として大変誇りに思う。今秋に受章祝賀会開催を予定している」と述べた。
 令和4年度調剤報酬改定では、「地域支援体制加算の算定要件では、‟服薬情報等提供料の実績”、‟地域の多職種との連携会議への出席”がハードルになっている」と断言。
 さらに、「地域医療に貢献しているのに算定要件を満たせない薬局については、算定が可能になるようにアシストして行く」考えを強調した。
 乾氏は、コロナ在宅・ホテル療養薬剤交付支援事業にも言及し、「在宅やホテル療養患者に処方箋薬を届けると1件に付き3000円交付される。だが、本年2月分の請求は7000件あり、交付金が不足した。色々手を尽くしたものの補充できず、1件2500円に減額して2月分を支払いを終えた」と明かした。
 加えて、「大阪府内では、国の想定以上にコロナ在宅・ホテル療養患者が多かったため、地域の薬局・薬剤師が院外処方せん応需に尽力した。予算オーバーしても、満額を受け取れるように補助してほしかった」との感想を述べた。
 経口新型コロナ治療薬「ラゲブリオ」は、国に名簿を提出した大阪府下450件の薬局で調剤しており、求めがあれば24時間対応している。乾氏は、「連休中は、それほど大きな感染の波が無かったが、地域の薬局がしっかりとラゲブリオの処方箋応需に対応した」と明言。加えて、「ラゲブリオの応需薬局は、中学校区に一つ存在する。ファイザーのパキロビッドについては、現在、登録薬局数が増加するように阪府と国が進めている」と説明した。

尾島氏

神谷参議院候補には大阪で8000~1万票獲得目標に

 神谷まさゆき参議院議員候補の大阪府薬剤師連名各支部訪問では、尾島氏が「コロナ禍で、これまで計画通り回れていなかったため、今回は、政令都市と重点地区を中心とした訪問になった。神谷候補の実物を見て頂き、その人柄を訴求できた。大阪大谷大学薬学部での講義も行った」と強調。
 その上で、「どの地域でも非常に評判が良く、選挙までの残り2か月間、我々も頑張って支援する。自民党の大阪府下の市町村議員の方々の名簿も頂いており、薬剤師以外の票も増やして大阪で8000~1万票獲得したい」と抱負を述べた。


    

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