はるやまと協業で乗るだけで健康チェックと推奨スーツサイズ提案サービス開発 タニタ

店舗スタッフとの接触低減で新型コロナ感染防止対策にも寄与

 タニタは26日、はるやまと協業して、体組成計に乗るだけで健康チェックと同時に、推奨するスーツサイズと商品シルエット(型)を提案する新サービスを開発したと発表した。28日からはるやま2店舗で試験提供を開始する。
 同システムは、タニタが開発した体組成データから体形を推定する新技術「TANITA Body Shape Analyzer」と、はるやまの商品情報を組み合わせたもの。
 利用する顧客にフィットするお薦めのサイズ、商品シルエットのスーツやフォーマル、パンツやスカートを自動で提案する。
 購入時における店舗スタッフとの接触を減らし、顧客自身による商品選びの自由度を高めるとともに、買い物時間の短縮や新型コロナウイルスの感染対策にも役立つ。
 「はるやま吉祥寺店」(東京都)と「はるやま岡山大安寺店」(岡山県)の2店舗で28日から試験提供をスタートし、効果検証を経て導入店舗を拡大していく計画だ。
 これまで、店舗でスーツを購入する際に自身のサイズが分からない場合は、店舗スタッフがメジャーを使って直接採寸をしていた。だが、採寸時にからだに触れられることを苦手とする人や、店舗スタッフに頼らず自身で自由に商品を選びたい人も多く、このプロセスを自動化できる選択肢が求められていた。
 また、新型コロナウイルス感染症が拡大する中、顧客と店舗スタッフとの接触を減らすための取り組みも必要となっていた。
 今回開発した新サービスは、これらの課題に対応するものとなる。使い方は簡単で、タッチ画面で年代や身長などの必要な情報を入力して体組成計に乗るだけで、男性であれば「A5(号)」「AB6(号)」など、女性であれば「9(号)」「11(号)」など、お薦めのサイズを表示する。
 また、併せてお薦めの商品シルエットを提案し、顧客の商品選びをサポートする。同サービスの中核となるのが、タニタが開発した新技術「TANITA Body Shape Analyzer」だ。
 同技術は、タニタが長年培ってきた体組成計測技術を応用したもので、体組成計ではかった生体情報を基に「首回り」「お腹まわり」「胸囲」「裄丈」「ヒップ」「太もも」のサイズを推定するとともに、お薦めのスーツサイズと商品シルエットを提案する。
 これにより、スムーズなスーツ選びができるとともに、店舗スタッフとの接触も抑えることができる。
 はるやまは2015年に「スーツで日本を健康に」する宣言をし、ファッションの分野からの健康サポートを進めてきた。
 その一環として、2017年からタニタとの連携をスタート。共同で「歩きたくなるスーツ『i-Suit SUPPORTED BY TANITA』」を開発したり、はるやま店舗内にタニタの業務用体組成計による健康チェックが行える「健康チェックコーナー」を設置したりするなど、さまざまな健康サポート施策に取り組んできた。
 今回開発したサービスは、顧客の利便性を高めるだけでなく、同時に体組成計測ができることから既存の健康サポート施策との架け橋となり、これまで以上に具体的な提案ができるようになることが期待される。
 まずは、2店舗での実証実験からスタートするが、将来的には本サービスの導入店舗を拡大するとともに、同サービスで得た健康情報をはるやまの顧客情報と結び付け、顧客一人ひとりに合わせた健康情報や商品情報の提供、食事・運動・休養といった生活習慣の提案など、サービスの拡充を検討していく。また、はるやまの新商品開発にも生かしていく意向を示している。
 紳士服業界では、少子高齢化によるスーツ着用人口の減少やコロナ禍におけるテレワークの進展などの影響により市場が縮小する中、新たな付加価値による差別化が大きなポイントになっている。
 一方、ヘルスケア業界においても、将来の市場拡大を狙いさまざまな業種が参入するなど構造改革が進んでいる。はるやまとタニタの協業は、異業種が連携することで新たな価値を生み出し、市場での競争力を高めていくことを目的とする。また、この取り組みは、ひいては日本が直面している健康寿命の延伸や社会保障費の抑制といった社会課題の解決にもつながるものと期待される。今後も両社で連携し、「日本を健康に」する取り組みを加速していく。

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