小野薬品は30日、Iktos 社(フランス、パリ)とIktos社独自の人工知能(AI)創薬技術を活用した新規低分子化合物創製を目的とした創薬提携契約を締結したと発表した。
同契約の締結に伴い、Iktos社は、新規な化学構造を設計する同社独自のAI創薬技術を駆使し、当社が提示する創薬標的に対する革新的な低分子化合物を創製する。
小野薬品は、創製された低分子化合物を全世界で独占的に開発・商業化する権利を取得する。同社は、Iktos社に対して、提携期間中の研究資金および研究の進捗に応じたマイルストンを支払う。
Iktos社は、2016年10月に設立された化学研究、医薬品化学および新薬設計に応用される人工知能ソリューションの開発を専門とするスタートアップ企業で、ディーププラーニング(深層学習)生成モデルに基づく独自の革新的なソリューションを開発している。
これにより、既存のデータを使用して、低分子発見プロジェクトのすべての成功基準を満たすようにコンピューターで最適化された分子の設計が可能になる。
Iktos社の技術使用により、初期段階の医薬品の研究開発における生産性の大幅な向上が可能である。Iktos社は、専門サービスとして、またSaaSソフトウェアプラットフォームであるMakyaとして、その技術を提供している。Iktos社は、逆合成のためのIktos社独自のAI技術に基づく合成計画ソフトウェアであるSpayaも開発している。
◆滝野十一小野薬品取締役専務執行役員研究本部長のコメント
当社は、Iktos社の優れたAI創薬技術を高く評価している。今回のIktos社との創薬提携を通じて、当社の革新的な医薬品の開発パイプラインが一層拡充されることを期待している。
◆Iktos社共同創設者で最高執行責任者のYann Gaston-Mathé氏のコメント 日本の製薬企業パートナーとして、小野薬品との提携開始を非常にうれしく思っており、日本の製薬会社との最初の提携契約を発表できることを誇りに思う。 我々の最終的な目標は、Iktos社独自のAIプラットフォームとノウハウを活用して、創薬を促進し、時間とコストの効率化を達成することである。小野薬品の創薬プログラムにおいて有望な新規化合物を創製できると確信している。