アストラゼネカは30日、イミフィンジと化学放射線療法の同時併用療法について、P3相 CALLA 試験における局所進行子宮頸がん患者の治療で、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の延長について、単独療法としての CRTとの比較で統計学的に有意な差は認められなかったと発表した。
CALLA試験において両群の安全性および忍容性プロファイルは一貫しており、予期せぬ新たな安全性に関する知見は得られなかった。CALLA試験データは、今後の医学学会で発表される予定である。
子宮頸がんは、世界で8番目に患者数が多く、毎年約60万人が診断されており、9番目に致死率が高いがんである。子宮頸がん患者の約40~50%は、局所進行期に診断される。
現行の標準治療である白金製剤ベースの化学放射線療法を受けても、局所進行子宮頸がん患者さんの約40%に再発の可能性があり、5年生存率は約65~70%にとどまる。子宮頸がん患者に対する標準治療は、この 20 年間変わっていない。
◆P3相 CALLA 試験の治験責任医師でアメリカ産科婦人科学会フェロー、アメリカ外科学会フェローのBradley Monk 氏(アリゾナ大学医学部教授)のコメント
今回の結果は統計学的に有意ではなかったものの、新たな治療選択肢のさらなる評価の必要性を裏付けている。また、局所進行子宮頸がん患者さんの治療を改善する今後の方策に向けた情報源となる。
◆アストラゼネカエグゼクティブバイスプレジデント兼オンコロジーR&D責任者のSusan Galbraith氏のコメント
CALLA試験では、既存の治療を行っても多くの患者さんで病状が進行してしまう深刻で複雑な疾患である局所進行子宮頸がんを対象に、新しい免疫療法による治療アプローチを検証した。
試験結果は私たちの期待通りではなかったが、試験からの知見により、多くのがん種においてイミフィンジのベネフィットを評価している広範な臨床開発プログラム全体における免疫療法に対する我々の理解と応用が進むだろう。