2型糖尿病薬「メトグルコ」 不妊治療で適応追加公知申請大日本住友製薬

 大日本住友製薬は28日、ビグアナイド系経口血糖降下剤「メトグルコ」」(一般名:メトホルミン塩酸塩)について、不妊治療に関する効能・効果の追加を目的とした公知申請を実施したと発表した。
 対象は、「多嚢胞性卵巣症候群における排卵誘発」および「多嚢胞性卵巣症候群の生殖補助医療における調節卵巣刺激」
 公知申請とは、医薬品効能追加等の承認申請において、当該医薬品の有効性・安全性が医学的に公知として、臨床試験の全部又は一部を新たに実施することなく行う申請である。
 メトグルコは、肝臓における糖新生抑制作用、末梢組織における糖取り込み促進作用、小腸における糖吸収抑制作用等を介して血糖降下作用を示すビグアナイド系経口血糖降下剤だ。
 大日本住友製薬は、2010年より国内で販売しており、国内では、メトホルミン製剤は2型糖尿病の第一選択薬として幅広く用いられている。
 同申請に係る効能・効果については、昨年10月に開催された「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で医療上の必要性ありと判断され、厚生労働省より当社に対して開発要請がなされ。
 その後、本年1月に開催された「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で公知申請への該当性が認められ、さらに、2月25日に開催された薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会で本申請に係る事前評価が行われ、公知申請を行っても差し支えないと判断された結果、今回の申請に至ったもの。
 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、生殖年齢女性の5~8%に発症するとされており、世界保健機関(WHO)の性機能障害のグループIIに分類される疾患で、その排卵障害は不妊症の原因の一つになっている。
 メトホルミン塩酸塩は、国際的なガイドラインや国内のガイドラインで、PCOS 患者に対する一般不妊治療における排卵誘発の際、他の排卵誘発薬との併用投与が推奨されている。
 また、メトホルミン塩酸塩は、同じく国際的なガイドラインや国内ガイドラインで、PCOS 患者での生殖補助医療における調節卵巣刺激の際、他の卵巣刺激薬との併用投与が推奨されている。
 大日本住友製薬では、同申請が承認されることにより、PCOS患者の不妊治療に貢献できるものと期待している。

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