食の多様性“フードダイバーシティ”実現のためのIBD患者向けレシピ作成 武田薬品

 武田薬品は28日、多くの炎症性腸疾患(IBD)患者の悩みの一つである“食事”について、 “食の多様性(フードダイバーシティ)”実現を目的に、医療系学生とともにIBD患者の夢のレシピである「IBDreamめし」を考えるオンラインイベントを26日に開催したと発表した。
 IBDは、腸を中心とする消化管粘膜に炎症が生じる疾患で、主に10代~20代で多く発症することが知られている。患者の多くは、頻回の下痢や血便、腹痛、発熱、さらには慢性疲労に悩まされながら日常生活を送っている。
 同社がIBD患者に実施したアンケートでは、脂質制限の必要性や、食べるものが限られてしまうなど、食事においても悩みを抱えている。
 一方で、IBDは、症状が見た目には分かりづらく、また患者がどのようなことで困っているのか周囲の人に伝わりにくい疾患だ。
 武田薬品は、2020年よりIBDの好発年齢層である20代の学生を対象としたイベントを実施している。参加学生には、患者の気持ちを理解するためのシミュレーションプログラムである「In Their Shoes」を体験した上で、患者向けレシピの考案や患者の気持ちを代弁するポスターの作成を実施した。
 3回目となる今年は、IFMSA-Japan(国際医学生連盟 日本)、APS-Japan(一般社団法人日本薬学生連盟)、【N】(栄養学生団体)に所属する16名の学生と共に、IBD患者の“フードダイバーシティ”を実現するためのレシピを作成した。
 今回考案されたレシピは、エームサービスおよび管理栄養士の監修を受け、本年5月19日の世界IBDデーに当社疾患啓発サイトを通じて公表予定である。
 
◆参加した学生から寄せられた主なコメント内容は次の通り。

「初めてIBD患者さんの生活や食事について考えるという経験をしてみて、今までのイメージと異なる、教科書で学んだこと以外のさまざまな知見が得られ、非常に視野の広がる良い機会となった」
「実際のIBD患者さんの日常を体験し、困難さや不安感などが身にしみてわかった。これをきっかけに、さらに患者さんに寄り添える医師になりたいと思う」

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