武田薬品は25日、市民活動助成プログラム「タケダ・女性のライフサポート 助成プログラム」について、初年度(2022年4月~2023年3月)の助成対象事業5件を決定したと発表した。助成プログラム期間は、2022年4月~2025年3月まで。
同プログラムは、助けを求めにくい境遇におかれ、生きづらさを抱える女性を守り、女性とその子どもたちが安心して健康的な生活を取り戻すことを目的としたもの。
武田薬品の寄付をもとに、日本NPOセンターが、1年ごとに助成対象事業を募集し、助成先となる事業の選考・決定等の同プログラム運営を行う。
助成先は、同社従業員含む有識者により構成された選考委員会により決定される。初年度である今回は、次の5件の事業を助成する。
1、特定非営利活動法人女のスペース・おん:生きづらさを抱える女性の継続・個別的な女性支援事業 北海道 444万円
2、特定非営利活動法人
ダイバーシティ工房:くらしに困難を抱える女性を支えつなぐためのSNS相談事業 千葉県 426万円
3、特定非営利活動法人
ピッコラーレ:孤立した妊産婦のためのワンストップ拠点運営事業 東京都500万円
4、特定非営利活動法人
くにたち夢ファーム:生活困窮女性が地域で自立して生きる力をつけるための支援 東京都 450万円
5、一般社団法人京都わかくさねっと:困難を抱えた少女たちが主体的に夢を実現する居場所づくり活動 京都府 397万円
◆助成対象プロジェクト
・特定非営利活動法人 女のスペース・おん
新型コロナウイルス感染拡大により急増した若年女性の困難に焦点をあて、生理用品や食料などを定期的に手渡しすることにより関係性を作りながら、相談・支援につなげ、これまでの支援ノウハウを活かした「寄り添い型シェルター」による切れ目ない支援を提供する。
・特定非営利活動法人ダイバーシティ工房
生きづらさを抱える女性が気軽にアクセスできるSNS相談を通して、地域密着型の団体が有するネットワークを活かした適切な支援機関への橋渡しをおこなう。
・特定非営利活動法人 ピッコラーレ
虐待や貧困などの困難を抱えて孤立する妊産婦が安心して支援を受けられる拠点事業を実施するとともに、妊産婦の抱える社会課題に対する理解促進を図り、地域内外の支援者ネットワークの充実を目指す。
・特定非営利活動法人 くにたち夢ファーム
ドメスティックバイオレンス(DV)被害や虐待、生活困窮などで傷ついた女性に対して、当事者が地域とのつながりを持ちつづけながら新しく生きるためのコミュニティに根ざした支援を行う。
・一般社団法人 京都わかくさねっと
生きづらさを抱える若年女性の居場所「わかくさカフェ」や「わかくさリビング」の運営を通じて、生きづらさを抱える当事者がピア活動によって悩みを分かち合いながら、自分らしい生き方を見つける場づくりに取り組む。
◆吹田博史武田薬品グローバル コーポレート アフェアーズジャパンCSRヘッドのコメント
このたび、日本NPOセンターとのパートナーシップを通じ、妊産婦やDV被害者、若年女性など、多岐にわたる課題に直面する女性とその子どもを支援する重要かつニーズの高い事業に携われることを誇りに思う。
当社従業員が選考委員会に推薦する事業を提出するプロセスに参加することで、支援の意義について理解し、これらの課題を自分ごととして考えることができた。
本プログラムによる成果が、各地で同様の活動に取り組む団体にも共有され、全国のモデルとして広がることを期待している。
◆萩原なつ子日本NPOセンターの代表理事のコメント
生きづらさを抱える女性の課題解決は、個々の団体のみで実現できることではなく、地域の行政機関や関係団体、支援者との連携があって初めて可能になる。
各団体が長期的な視点で活動を続けていただき、生きづらさを抱える女性が安心で健康的な生活を取り戻すための支援を展開していただくことを期待している。
なお、武田薬品は、日本国内の企業市民活動に加えて、グローバルのCSR活動にも力を入れている。中でも、2016年に開始したグローバルCSRプログラムでは、世界中の従業員による投票で支援対象プログラムを決定し、これまでに74か国で展開する19プログラムに総額152億円を拠出している。支援プログラムを通じて、グローバルヘルスの課題解決を目指している。