次世代創傷用洗浄器開発目指してサイエンスと共同開発契約締結へ   ファンペップ

 ファンペップは14日、次世代の創傷用洗浄器開発についてサイエンス(大阪市)との間で共同開発契約を締結すると発表した。
サイエンスは、ファインバブル技術のリーディングカンパニーとして、微細な気泡ファインバブルを活用した製品群において「ミラブル」に代表される洗浄力や肌への浸透性に関するノウハウを有する企業である。
 微細な気泡ファインバブルとは、ISO 国際標準規格における気泡径100μm未満の気泡で、1μm〜100μm未満をマイクロバブル・1μm未満をウルトラファインバブルとしている。
 共同開発契約締結に関連してサイエンスは、ファンペップ既存株主からファンペップ発行済株式を市場外の相対取引を通じて譲り受ける予定である(最大約50万株[2022 年1月末時点の当社発行済株式総数に対する割合:2~3%])。
 サイエンスは、一般消費者市場への製品展開のみならず、農業分野や工業分野または食品分野など様々な市場に向けて研究開発を行なっている。医療分野に関しても、ファインバブルの適合性が高い分野として数々の取り組みを展開している。
 一方のファンペップは、大阪大学大学院医学系研究科の研究成果に基づき、機能性ペプチドの実用化に向けた研究開発に取り組んでいる大学発ベンチャー企業。
 主力の医薬品分野においては、皮膚潰瘍治療薬や乾癬治療薬について国内外で臨床開発を進めているが、これに加えて、その他の化粧品やヘルスケア分野では事業会社との提携によって機能性ペプチドの幅広い分野での実用化を図っている。
 わが国では高齢化社会を迎え、寝たきりの高齢者に発生することが多い褥瘡等の皮膚潰瘍の治療の重要性が増している。皮膚潰瘍治療においては、創面の細菌や壊死組織等を取り除いて創傷治癒を促進するため、創部を十分に洗浄して清潔に保つことが重要である。
 だが、感染の危険性のある場合や抗生剤耐性菌に感染している場合などは、既存の治療薬を使用できず、潰瘍治療が困難なケースが多々ある。
 こうした場合には、まず傷口の感染コントロールが重要だが、既存の方法では十分行えないケースがあり、新規治療が必要とされている。今回サイエンスと共同開発する創傷用洗浄器は、このような感染コントロールが困難な患者に対する新たな治療法の提供が期待される。
 同共同開発では、サイエンスのファインバブル技術を用いた創傷用洗浄器と、ファンペップの抗菌作用を示す機能性ペプチドの組み合わせにより、洗浄力の高い新規創傷用洗浄器の開発を行う。
 同医療機器の開発により、褥瘡や糖尿病性潰瘍などの皮膚潰瘍の早期治癒が可能になる。
 なお、同共同開発による ファンペップの2022年12月期の業績への影響は軽微である。

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