オミクロン株の「みなし陽性」条件付きで容認 杉並区 柿田医院院長 柿田豊

 コロナウイルスオミクロン株の「みなし陽性」には賛否ありますが自分は容認派です。
 条件としては職場・学校などで認定される濃厚接触は除外し、寝食を共にした同居者などに限定した方が良いとは思います。経験的に家族内の濃厚接触者かつ有症状者の検査陽性率が他の場合より高いと感じているからです。
 条件を絞ればみなし陽性の乱発による混乱は少なくできるし、デメリットよりメリットの方が大きくなると思うのです。
 デメリットは白黒つかない人が感染者として認定されることですが、それが社会的に大きな問題になるでしょうか?現行制度下ではみなし陽性者は10日間の隔離療養の対象なのでその方々は感染源としてのスプレッダーにはまずなりませんし、感染者でないならなおさら社会的な影響はありません。
 今、医療現場は制度の不備により混乱していて全ての希望者の診療受け入れが可能な態勢ではありません。怪しい人には単なる濃厚接触者よりも長くステイホームをお勧めする公的な根拠になると思うのです。
 オミクロン株程度の重症化率だから言えることですが、メリットは濃厚接触者の社会復帰が早くなることです。
例えば2歳の幼児が確定患者になったら、1人での隔離療養は不可能で保護者は濃厚接触者にならざるを得ません。看病している保護者は何事もなければ確定患者である幼児の観察期間の最終日(10日目)から、濃厚接触者として更に1週間の観察期間が課せられます。
 ところが、お子さんの看病中に体調が悪くなった親御さんが患者として素早く認定されれば、療養観察期間はほぼお子さんと同じになり、結果的には親御さんの職場復帰は早くなる可能性があるのです。
 オミクロン株の重症度(軽症度?)を勘案した上での見解ですが、この制度をうまく利用した方が世の中の動きが良くなると思うのです。
 みなし陽性者の認定は、疑いが強い人を野放しにすることなく念のため10日間隔離観察する措置ですから、本人が望むのであれば問題無いと思います。勿論全く無症状であれば認定するべきではありません。

※例によって個人の感想です。

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