アッヴィは7日、リンヴォックについて、米国FDAが12歳以上の小児及び成人のアトピー性皮膚炎患者の治療薬として承認したと発表した。
対象は、既存療法が奏功せず生物学的製剤を含む他の経口剤や注射剤では疾患のコントロールが不十分、または他の経口剤や注射剤の投与が推奨されない中等症から重症のアトピー性皮膚炎を有する成人および12歳以上の小児患者。
今回のFDAによる承認は、2500人以上のアトピー性皮膚炎患者を対象とする最大規模の3つのP3試験プログラムから得られた有効性および安全性に関するデータに基づくもの。
約52%の患者が、過去にアトピー性皮膚炎の全身療法を受けていた。これらの試験では、中等症から重症のアトピー性皮膚炎を有する成人および12歳以上の小児患者を対象に、プラセボと比較してリンヴォック単剤療法(Measure Up 1試験およびMeasure Up 2試験)および副腎皮質ステロイド外用薬との併用療法(AD Up試験)の有効性と安全性を評価した。
今回のFDAの承認により、対象疾患に対して、成人および12歳以上かつ体重が40kg以上の小児患者は、リンヴォック1日1回15mgの投与を開始できる。
12歳以上かつ体重が40 kg以上の小児患者および65歳未満の成人患者において十分な反応が得られない場合は、用量を1日1回30 mgに増量することができる。
◆アッヴィのsenior vice president兼research and development, chief scientific officerのThomas Hudson(M.D.)氏のコメント
アレルギー専門医としてのキャリアを開始したころは、中等症から重症のアトピー性皮膚炎の患者さんがいかにかゆみと発疹に苦しんでいるかを目にしながらも、全身療法で十分に疾患コントロールができない患者さんに対して限られた治療選択肢しかなかった・
今回リンヴォックの追加適応承認により、アトピー性皮膚炎のかゆみと皮膚症状を大きく改善できる1日1回の経口薬という治療選択肢が加わった。
私たちがこの疾患の病状や他の慢性の免疫介在性炎症性疾患の治療向上のために力を尽くしていくなかで、アッヴィにとっても誇らしい出来事である。
◆ニューヨーク市のマウントサイナイ・アイカーン医科大学皮膚科教授で学科長のEmma Guttman-Yassky(M.D., Ph.D.)のコメント
中等症から重症のアトピー性皮膚炎の患者さんの多くは、利用可能な治療法はあるものの、終わりのないかゆみの症状と搔破行動のサイクルから抜け出せずにいる。
リンヴォックは、臨床試験において、皮膚症状とかゆみに対し着実な効果を示した。これまで疾患コントロールが十分でなかった患者さんの治療目標引き上げに貢献できるかもしれない。
リンヴォックは、2種類の用量がある経口薬であり、中等症から重症のアトピー性皮膚炎の患者さんのために治療に尽力する臨床医にとっても、歓迎すべき治療選択肢が新たに加わった。