塩野義製薬は31日、新型コロナ治療薬として開発中の経口抗ウイルス薬「S-217622」について、P2/3試験のうちPhase 2a partの6日目までの結果として、同治療薬を服薬後、感染性を有するウイルスを排出する患者を速やかに減少させるデータを取得し、既に医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出していると発表した。申請に必要な資料は当局に随時提出しており、最速の国内提供を目指す。
今回の発表は、これまで実施してきたP2/3試験のうち、Phase 2a partの抗ウイルス効果、および安全性に関して速報したもので、今後の申請時期については、引き続き厚生労働省やPMDA等と協議していく。
同試験は、日本人成人を対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験で、S-217622を1日1回、5日間経口投与した際の抗ウイルス効果ならびに安全性を評価する。S-217622服薬後、感染性を有するウイルスを排出する患者を速やかに減少させる結果を得ており、要約は次の通り。
1、プラセボ群と比較してS-217622群で速やかなウイルス減少効果が確認された。
2、プラセボ群と比較してS-217622群で速やかにウイルス力価陽性患者の割合が減少した。
3、同治験において、高度な有害事象も重篤な有害事象も確認されず、忍容性が確認された。
今回発表した結果については、関連通知等に基づき、すでにPMDAに提出している。今後、Phase 2a Partの解析で得られる追加結果も順次提出していく。なお、同件が2022年3月期の連結業績予想に与える影響に関しては、今後、状況に応じて精査する。