持続可能で環境配慮の医薬品包装 史上初の「WorldStar award」受賞 武田薬品

 武田薬品は25日、持続可能で環境に配慮した医薬品包装について史上初の「WorldStar award」を受賞したと発表した。今回、同賞受賞の対象となったのは、固形剤の一次包装容器としての植物由来ポリエチレン製ボトル(バイオマスポリビン)ならびにプレフィルドシリンジの二次包装の2点。
 植物由来バイオエタノールから製造されるバイオマスポリビンは、CO2排出量を70%削減し、二次包装はその革新的な設計により全てリサイクルが可能だ。これは環境を保護し、これを持続可能な形で維持していくことを同社の最優先事項とする姿勢を示しており、2040年度までにネット・ゼロ達成を目指す目標に貢献するものだ。
 バイオマスポリビンは、植物由来のバイオエタノールを原料としており、石油由来のポリエチレン製ボトルと比較して、CO2排出量を最大70%削減が可能である。
 同バイオエタノールはバイオマスポリビン原料の90%以上に使用されており、バイオマスプラマーク(BPマーク)2の認証を取得している。
 武田薬品は、2013年より製薬業界で初めてバイオマスポリビンを一次包装に採用している。現在は、高血圧症治療剤、酸関連疾患治療剤、他の経口剤のバラ包装においてもバイオマスポリビンを用いている。
 武田薬品では、今後もバイオマスポリビンを採用したバラ包装の対象製品の拡大を目指す。グリーンPEボトルは、36ヵ月間の有効期間、透湿性および耐衝撃性などの重要な機能性と錠剤の品質に対する影響について検査を実施している。
 同バイオマスポリビンは日本包装技術協会(JPI)主催の「日本パッケージングコンテスト」において「テクニカル包装賞」と、アジア包装連盟(APF)主催の「アジアスターパッケージングアワード2021」において「アジアスター賞」をすでに受賞している。
 100%リサイクル可能な材料から作られたプレフィルドシリンジの二次包装は、全てリサイクルできるように、使用後に分別し易いように設計されており、紙箱とその箱内のトレイを使用後に簡単に取り外しが可能だ。
 ライフサイクルアセスメント研究に基づき、環境負荷の低減を維持し、他の板紙による包装と比較して重量を最小限にするため、包装は板紙とポリエチレンテレフタレート(PET)からなる複合材料で設計されている。
 こうした工夫によりリサイクルが可能となり、洗練された設計と軽量化により効率的な輸送を実現し、配送プロセスにおいて必要となるスペースを削減、CO2排出量のさらなる低減に貢献している。
 なお、同二次包装は、2021年の「Austrian Green Packaging Star award」をすでに受賞している。

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