アッヴィは14日、リンヴォック(ウパダシチニブ)について、活動性関節症性乾癬(PsA)に対する米国FDAの承認を取得したと発表した。対象は、1剤以上の腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬で効果不十分または不耐容であった活動性関節症性乾癬(活動性乾癬性関節炎、PsA)の成人患者。
FDA承認の裏付けとなったデータは、PsAの患者を対象にリンヴォックの有効性、安全性および忍容性を評価したP3相試験SELECT-PsA1試験とSELECT-PsA 2試験から得られたもの。
いずれの試験でも、活動性PsAにリンヴォック15 mgを投与したときの安全性プロファイルは、関節リウマチで認められた安全性プロファイルと一致していた。
P3試験のSELECT-PsA 1試験およびSELECT-PsA 2試験のいずれにおいても、リンヴォックは主要評価項目である12週時のACR20改善を達成した。リンヴォック15 mgの投与を受けた患者におけるACR20改善の達成率(それぞれ71%および57%)は、プラセボ投与の患者(それぞれ36%および24%)と比較して有意に高い結果であった。
P3試験のSELECT-PsA 1試験およびSELECT-PsA 2試験のいずれにおいても、リンヴォック15mgの投与を受けた患者における12週時のACR50改善の達成率(それぞれ38%および32%)は、プラセボ投与の患者(それぞれ13%および5%)と比較して高い結果であった。
SELECT-PsA 1試験およびSELECT-PsA 2試験のいずれにおいても、リンヴォック15mgの投与を受けた患者さんにおける12週時のACR70改善の達成率(それぞれ16%および9%)は、プラセボ投与の患者(それぞれ2%および1%)と比較して高い結果であった。
以前から指趾炎または付着部炎を呈していた患者では、リンヴォック15 mgの投与により、指趾炎または付着部炎が改善した。
SELECT-PsA 1試験において、modified Total Sharp Score(mTSS)のベースラインから24週時までの変化量に基づき評価した構造的関節損傷の進行は、プラセボ投与(ベースラインからの変化量0.23)と比較した場合、リンヴォック15 mg投与(ベースラインからの変化量-0.02)で有意に抑制された。
SELECT-PsA 1試験およびSELECT-PsA 2試験のいずれにおいても、12週時に健康評価質問票による機能障害指数(HAQ-DI)により評価した身体機能は、プラセボ投与の患者と比較して、リンヴォック15mgの投与を受けた患者でベースラインから有意に改善した。
両P3試験において、12週時に慢性疾患治療の機能評価-疲労(FACIT-F)スコアで評価した疲労は、プラセボ投与の患者さんと比較して、リンヴォック15 mgの投与を受けた患者でベースラインから有意により大きく改善した。
◆アッヴィvice chairman 兼presidentのMichael Severino(M.D)氏のコメント
PsAの症状の多くを緩和するリンヴォックの有効性について、大規模長期試験2試験においてその特徴が明らかになった。この新たな承認の取得は、より多くのリウマチ性疾患の患者さんが疾患コントロールを達成できる治療法のポートフォリオを提供するという当社のミッションを明確に示すものである。
◆SELECT-PsA 1試験治験責任医師、英国グラスゴー大学内科学教授およびVersus Arthritisリウマチ学教授のIain McInnes氏のコメント
成人患者さんの多くは、疾患活動性の軽減につながる治療選択肢を見つけられず苦しんでいる。今回のリンヴォックのFDA承認により、より多くの患者さんがPsAの徴候や症状の緩和を実感できるようになり、治療目標を達成できる可能性が示された。