抗LAG-3抗体とオプジーボの併用療法 悪性黒色腫P2/3試験で無増悪生存期間達成  小野薬品

 小野薬品は26日、抗LAG-3抗体のRelatlimabとオプジーボの併用療法について、未治療の転移性または切除不能な悪性黒色腫を対象としたP2/3相RELATIVITY-047(CA224-047)試験で、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を達成したと発表した。RELATIVITY-047の試験結果は、同併用療法をオプジーボの単剤療法と比較評価したもので、提携先のブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が、25日に明らかにした。
 副次評価項目である全生存期間(OS)の追跡調査は進行中である。固定用量の併用療法の忍容性は良好で、併用療法群およびオプジーボ単剤療法群とも新たな安全性シグナルは報告されなかった。これらは、抗LAG-3抗体を評価した試験で報告された初めてのP3相データである。
 Relatlimabは、ブリストル マイヤーズ スクイブにとって、3つ目の免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-1、抗CTLA-4および抗LAG-3)である。
 リンパ球活性化遺伝子3(LAG-3)は、エフェクターT細胞および制御性T細胞(Treg)に発現する細胞表面分子。LAG-3は、T細胞の活性を制限する抑制性免疫チェックポイント経路を制御し、がん細胞を攻撃する能力を低下させる。
 がんのような慢性疾患があれば、PD-1やLAG-3といった抑制性免疫チェックポイントの発現が上昇し、T細胞の疲弊が進行する。 LAG-3とPD-1は、別々の免疫チェックポイント経路だが、エフェクターT細胞上で相乗的に作用し、T細胞を疲弊させる可能性がある。抗LAG-3抗体であるRelatlimabは、T細胞上のLAG-3と結合し、疲弊したT細胞のエフェクター機能を回復させる。Relatlimabは、オプジーボとの併用療法で患者にベネフィットを示した初めての抗LAG3抗体である。
 BMSは、今後の学会で同試験結果を発表するとともに、規制当局と結果について協議する予定だ。
 BMSの腫瘍領域、シニアバイスプレジデント兼担当開発責任者のJonathan Cheng氏のコメントは、次の通り。
 免疫チェックポイント阻害薬の単剤療法および併用療法は、転移性または切除不能な悪性黒色腫患者の治療法に変革をもたらし、生存率を改善してきた。
 だが、補完的経路を活用して抗腫瘍活性を促進する併用療法によってベネフィットを得られる可能性のある患者が、いまも数多く存在する。同試験の結果により、PD-1阻害に加えLAG-3経路を標的とする手法が免疫応答を高め、これらの患者さんの予後を改善する重要な方策である可能性が示唆されている。

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