モデルナ製の新型コロナワクチン 国内追加接種の製造販売承認取得  武田薬品

 武田薬品は16日、モデルナ製の新型コロナワクチン「スパイクバックス」について、厚生労働省より2回目接種完了から少なくとも6か月以上経過した18歳以上を対象とした追加接種の製造販売承認を取得したと発表した。
 同承認は、今までに報告されたModerna社のP2相臨床試験の良好な結果に基づくもの。Moderna社の新型コロナワクチンは、同試験結果に基づいて、追加接種に関して欧州医薬品庁(EMA)による条件付き販売承認ならびに米国FDAによる緊急使用許可(EUA)を取得している。
 Moderna社のP2試験は、同社の新型コロナワクチンの2回目の接種を完了した18歳以上の被験者を対象に、2回目の接種から6か月以上経過後に50µg追加接種した際の安全性および免疫原性の評価を行うため、試験の計画が改訂された。
 結果において同ワクチンの追加接種によって新型コロナウイルス従来株に対する中和抗体価の顕著な増加が示された。追加接種後に観察された反応原性プロファイルは2回目接種後と同様であり、安全性プロファイルも初回免疫時と同じであった。
 武田薬品は、同ワクチンの計1億回接種分の輸入と供給に取り組んでいる。現在までに、同ワクチン5000万回接種分を日本に輸入しており、2022年初頭から追加の5000万回接種分の輸入と供給の開始を目指している。
 また、最近同社は、ノババックス社の遺伝子組換え新型コロナウイルス感染症ワクチン候補の「TAK-019(海外開発コード:NVX-CoV2373)」の製造販売承認申請を厚労省に行った。ノババックス社との提携を通じて、武田薬品は新型コロナウイルス感染症ワクチンの安定的な供給を行い、日本の自社工場においてTAK-019の生産能力の整備を進めている。承認取得後、2022年初頭の供給開始を目指している。

◆今川昌之武田薬品日本ワクチン事業部事業部長のコメント
 追加接種のスパイクバックスの供給を通じて、日本の皆さまに対する予防への支援ができることを光栄に思う。日本政府より2回目の接種と3回目の追加接種との間隔について、本ワクチンを活用して、8か月を待たずに、できる限り前倒しする方針が示されたことに続き、本製造販売承認は追加接種に対するワクチン供給の拡大に繋がるものと考えられる。

タイトルとURLをコピーしました