大日本住友製薬は15日、WT1免疫療法用がんワクチンとして開発中の DSP-7888について、再発または進行性膠芽腫を対象としたP3試験(WIZARD 201G試験)の中間解析結果において、最終解析で主要評価項目である全生存期間(OS)の有意な延長を示す可能性が低いと判断し、同試験を中止すると発表した。
同剤は、さまざまなタイプの血液がんおよび固形がんに見られるWT1発現がん細胞を攻撃するWT1特異的な細胞傷害性Tリンパ球(WT1-CTL)およびヘルパーT細胞を誘導する2つのペプチドを含む開発中のWT1免疫療法用がんワクチンである。ヘルパーT 細胞を誘導するペプチドを加えることにより、キラーペプチドのみに基づく治療レジメンと比較して治療結果が改善される可能性がある。
WIZARD 201G試験では、初期治療後に再発または進行した膠芽腫(GBM)患者を対象に、WT1免疫療法用がんワクチンの同剤およびベバシズマブの併用投与と、ベバシズマブ単剤投与における安全性と有効性を1:1 でランダム化し、比較検討した(予定登録被験者数 338 人)。
独立データモニタリング委員会(IDMC:Independent Data Monitoring Committee)による2回目の中間解析では、185イベントでOSを評価し、新たな安全性上の懸念は示されなかった。
米国において実施中の進行性固形がん患者を対象とした同ワクチンおよびニボルマブまたはペムブロリズマブとの併用投与のP1/2試験は継続する。
なお、同件による2022年3月期の連結業績に与える影響は軽微である。