Aerie社とROCK阻害剤の緑内障治療薬独占的開発・販売で契約締結  参天製薬

 参天製薬は7日、ROCK阻害剤の緑内障治療薬Rhopressa/RhokiinsaおよびRocklatan/Roclandaについて、Aerie社(本社:米国)と欧州、中国などへ対象地域を拡大するための独占的開発・販売契約を締結したと発表した。
 これらの薬剤は、Aerie 社の製品として開放隅角緑内障または高眼圧症患者における眼圧亢進の低下を適応として米国で承認されているもの。
 両社は、2020 年 10 月に日本・その他のアジア諸国における同製品の独占的開発・販売契約を締結していたが、今回の対象地域拡大により参天は、ROCK阻害剤の世界展開が可能となり、緑内障ポートフォリオのグローバルプレゼンスが強化される。
 Aerie社は、開放隅角緑内障、眼表面の疾患、網膜疾患患者に向けた画期的新薬の創薬、開発、製品化に注力している眼科専業の製薬会社である。Rhopressa0.02%および Rocklatan0.02%/0.005%は、米国で承認され、Aerie社が販売している。また、Aerie 社は EU および英国において、Rhokiinsa、Roclandaとして承認を取得している。
 日本においては RhopressaのP3試験が2020 年11月に開始され、主要評価項目である4週目の眼圧(IOP)下降効果において、ネタルスジル0.02%を1日1 回投与することが、リパスジル 0.4%の1日2回投与より優れていることが示された。
 緑内障は、視野喪失につながる視神経の損傷を引き起こし、多くの国において、視力低下や失明を含む視覚障害の主な原因となっている。緑内障性の視神経損傷や視野欠損は、一般に進行性かつ不可逆性であり、緑内障の治療では、早期発見・治療によって損傷の進行をコントロールすることが不可欠である。
 2020年における想定患者数は7600 万人おり、2030 年には9500万人に増加するといわれている。
 なお、同契約に基づき、Aerie社は8800万ドルの契約一時金と、対象国・地域において各種開発・販売マイルストーンペイメントおよびロイヤリティを受け取る。

 ◆谷内樹生参天製薬代表取締役社長兼CEOのコメント
 当社は、眼科に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、眼の疾患や不具合に起因する世界中の人々の社会的・経済的な機会損失を削減することを目指している。
 今回の地域拡大契約により、すでに本製剤が承認を取得している欧州ならびに将来的な成長が見込める中国を含めたグローバルな対象地域において、緑内障製品ポートフォリオにROCK 阻害剤を加えることができ、大変うれしく思う。
 多くの国・地域において患者さんのそれぞれの症状に合わせた治療計画への選択肢がさらに広がり、アンメットニーズのさらなる充足を図ることができると考えている。

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